Project/Area Number |
14655366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
廣澤 春任 宇宙科学研究所, 衛星応用工学研究系, 教授 (50013644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 晃 宇宙科学研究所, 次世代探査機研究センター, 助手 (40312201)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 機能性熱制御素子 / 放射率可変素子 / ペロブスカイト構造Mn酸化物 |
Research Abstract |
本研究は、強磁性材料であるペロブスカイト構造Mn酸化物に多層薄膜を施し、太陽光吸収率が小さく、かつ全半球放射率の温度依存性の優れた新しい放射率可変型ラジエータSRD(Smart Radiation Device)を提案・開発することを目的としている。このラジエータは従来のサーマルルーバと異なって機械的な要素がなく、かつ軽量化が期待できるものである。研究の主な成果は次の通りである。 まず、既存装置に科研費によって準備された光学反射装置と検出器を設置し、ペロブスカイト型Mn酸化物の1〜100μmの分光反射率を173〜293Kの温度範囲で測定した。その結果から、Kramers-Kronig(K-K)の関係により、光学定数の温度依存性を算出した。次ぎに、ペロブスカイト型Mn酸化物の機能性を高めるため、っまり全半球放射率の温度依存性の性質を失うことなく、かつ太陽光吸収率を小さくすることをねらって、遺伝的アルゴリズムを用いて、光学定数に基づいた多層薄膜設計の最適化を試みた。 これらの結果、光学定数は、室温以上では光学フォノンに依存し、絶縁体と同じような振舞いをすること、一方、室温以下では光学フォノンによる性質が徐々に失われ金属的な振舞いをすることが分かった。この現象から全半球放射率の温度依存性の理解が進んだ。多層薄膜の設計では、基材Mn酸化物の界面・表面粗さ、光学異方性等が多層膜に及ぼす影響について評価を行った。3種類9層の薄膜材料を組合せることにより、太陽光吸収率が0.81から設計で0.24、実際には0.28と小さくなり、かつ全半球放射率も本来の特性を失わない、という結果が得られた。遺伝的アルゴリズムによる多層薄膜の設計が有効であることが確認された。 熱制御素子としての機能を高めることが可能であることから、放射率可変型ラジエータとして極めて有望なものが実現できると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)