Project/Area Number |
14656111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 利男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (20176895)
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | PBN / スピントラップ剤 / ニトロン系化合物 / 神経様突起 / PC12細胞 / Ras / 分化誘導 / 抗酸化剤 / 抗酸化物質 / 神経突起 / 分化 / 老化 / 脳 / ドーパミン作動性神経細胞 |
Research Abstract |
PBNはスピントラップ剤として開発されたニトロン系化合物であるが、NGFなどの神経栄養因子と類似したPC12細胞に対する神経様突起誘導能を持っていることが既に報告されている。本研究では、他のスピントラップ剤にも類似の効果があるか、さらにはこのニトロン化合物の神経突起誘導のメカニズムを明らかにすることを目的に研究を行った。現在まで著者らはこのPBNによるPC12細胞の神経様突起形成のメカニズムは、TrkAとShcの活性化、Grb2のShcへの結合を引き起こさないが、Rasのレベルで活性化することによることを示している。本研究は、PBNの誘導体であるPOBN、S-PBNとDMPOについてその分化能を評価し、さらにRasのシステイン残基がPBNの標的になっているのではないかと考え、RasのCys-51、Cys-80、Cys-118,Cys-181ならびにCys-184をそれぞれセリンに改変したほ乳類細胞発現ベクターを用いた過剰発現系で評価した。いくつかのスピントラップ剤を用いてPC12細胞の神経様突起形成能を比較したところ、PBN>POBN>S-PBNの順で神経様突起形成能が強い傾向にあることを示し、DMPOは全く活性を示さなかった。このことは、用いるトラップ剤が疎水性であるほど神経様突起形成能が強い傾向にあること示唆している。また、Ras(WT)を過剰発現させたPC12細胞ではPBNによって神経様突起形成が増加したのに対し、Ras(C118S)、Ras(C181S)あるいはRas(C184S)を過剰発現させた細胞ではその増加が見られなかった。このことは、Rasに存在するシステイン残基のうちCys-118、Cys-181ならびにCys-184がPBNによるRas活性化機構に重要であることを示唆している。以上の結果は、ニトロン化合物による神経細胞に増殖、分化を誘導する化合物の開発、デザインに有効な知見となると考えられる。
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