内耳原基の器官培養系を用いた内耳の形態形成機構と内耳奇形発生のメカニズムの解明
Project/Area Number |
14657005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 岳 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324617)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 耳胞 / 内耳 / 神経堤細胞 / マウス胎児 / 器官培養 / TGFβ2 / Snail / Slug / TGFβ / slug / 内耳原基 / 半規管 / 蝸牛 / snail |
Research Abstract |
1.内耳の原基である耳胞から蝸牛および三半規管が発生する。ICRマウス胎児の耳胞を経時的にとり出し、免疫組織化学的染色を施して、内耳神経節(cochleovestibular ganglion, CVG)の発生を調べた。その結果、胎齢9.5〜11.5日胎児の耳胞で、前腹側の上皮細胞にTGFβ2が発現しており、その分布はニューロン前駆組織のマーカーであるNeuroDの発現部位と一致していた。また、その部位にSmad2も共発現していることが確認された。このことから、内耳神経節の形成にTGFβ2が関与している可能性が示唆された。 2.内耳神経節(CVG)の形成におけるTGFβ2の役割を調べるため、昨年度までに我々が開発した耳胞の器官培養法を用い、耳胞上皮からCVGニューロンの前駆細胞がどのように発生し分化するかを観察した。10.5日マウス胎児の耳胞を切り出しコラーゲンコートディッシュで培養したところ、4時間後から細胞が耳胞の外へ遊走し、10時間後までに明瞭な細胞塊を形成した。これらの細胞はTuj1陽性であり、CVGを形成するニューロン前駆細胞と考えられた。次に、培地にTGFβ2(10ng/ml)を添加したところ、耳胞から遊出するTuj1陽性細胞が有意に増加した。この結果から、CVGの形成にTGFβ2が促進的な役割を果たすことが確認された。なお、上皮・間葉転換に関与するSlugの発現をRT-PCRで調べたところ、TGFβ2処理群でその量が低下していた。このことから、耳胞からニューロンが遊出してCVGを形成する現象は、上皮・間葉転換とは異なる機構であると考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)