モルヒネの分子作用機構解析のための神経細胞種特異的なオピオイド受容体発現動物作製
Project/Area Number |
14657024
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 公道 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30303845)
南 雅文 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20243040)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | μオピオイド受容体 / モルヒネ / ノルアドレナリン神経 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / dopamine-β-hydroxylase / 鎮痛作用 / 薬物依存 |
Research Abstract |
モルヒネの鎮痛作用機序として、延髄諸核からの下行性抑制系の賦活化や一次感覚神経終末からの伝達物質遊離抑制が重要であるが、これらの作用機序の各々が、全身性に投与されたモルヒネによる個体レベルでの鎮痛作用発現にどの程度の割合で寄与しているかは明らかでない。また、精神的薬物依存に深く関与する中脳ドパミン神経系賦活化は、抑制性GABA作動性神経を抑制することによる「脱抑制」によることが、これまでの薬理学的・電気生理学的研究により示唆されているが、分子レベルにまで踏み込んだ研究成果は報告されていない。身体的依存形成における青斑核ノルアドレナリン神経系の関与についても同様である。そこで、これらの問題に対し分子レベルでの解答を得るため、一次感覚神経、GABA神経系およびノルアドレナリン神経系、それぞれの神経系にだけ特異的にμオピオイド受容体を発現する遺伝子改変マウスの作製を着想するに至った。本研究では、ノルアドレナリン神経特異的プロモーターであるdopamine-β-hydroxylaseプロモーター下にμオピオイド受容体を発現するトランスジェニックマウスとμオピオイド受容体ノックアウトマウスをかけ合わせることにより、ノルアドレナリン神経のみでμオピオイド受容体を発現する遺伝子改変マウスの作製を行った。本遺伝子改変マウスにおいてモルヒネの有意な鎮痛作用は認められなかった。一方、tail-suspension法を用いた解析において、μオピオイ受容体ノックアウトマウスで観察される行動量の増加が、μオピオイ受容体をノルアドレナリン神経特異的に発現させることにより野性型と同等のレベルまで減少していた。Tail-suspension法における行動量はストレス応答と関連していることが知られていることから、ノルアドレナリン神経系に発現しているμオピオイ受容体がストレス応答の調節に関与していることが示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)