性産業労働者(CSW)の性感染症危険因子と性行動変容要因の分析
Project/Area Number |
14657098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中園 直樹 神戸大学, 医学部, 教授 (50113593)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 性産業労働者(CSW) / 性感染症 / クラミジア感染症 / copying skill / 喫煙 / 禁煙 / 健康観 / 性産業労働者 / クラミジア / コンドーム / オーラルセックス / 膣性交 / セイフ セックス / 風俗 |
Research Abstract |
平成14年度の研究で、CSWの性感染症罹患の状況を明らかにした。その中で最多のクラミジア感染と性行動、特にコンドームの常時使用がプライベートな相手での性行為において頻度が少ないことを明らかにした。1週間の性交渉の人数(客数)との関係も見た。必ずしも客数などとも比例しておらず、寧ろ収入と関係していた。平成15年度では、CSWの日常生活、特に社会・経済的生活状況と健康観についてCSW158名と対照として中小、企業従業員99名と比較し、CSWの社会・経済的環境、それと人的なコミニティ関係(特に悩み相談時、不健康な生活習慣におけるアドバイスのキーパーソン的な人間関係)などを対比し、風俗業を続ける理由などにアプローチした結果、主に次のことに明らかになった。結婚観、子供、育児観など女性の将来像には差異はなく、教育歴も顕著な差はなかった。経済的収入ではCSW群は恵まれているが、世帯構造と親子人間関係は、一人暮らし、片親など家庭関係に脆弱性が窺えた。飲酒率には差異がないが、喫煙率とダイエット経験が高く、いずれも禁煙、ダイエットへの失敗例が高く、また性格的にやせ、スリム(BMIで)志向が多かった。またストレス状況でその処理に家族や信頼できる友人等の関与が少ない傾向がある。食習慣では朝食の欠食、食事を一緒にする友人が少ない、機会も少ないなどが特徴的であった。喫煙、性交の開始年齢が比較的若く、また何度も禁煙などを試みているが、うまくいかない者が多いようである。これらは喫煙と相関関係が高かった。性感染症の知織などは明らかにCSWでは高かった。 以上から、いわゆる社会的サポート(信頼できる友人、特に家族との関係の弱さ)、また精神的ストレスや人間関係のストレスのcopying skillが苦手で、また禁煙など規則正しい、当たり前のストレス処理を支援する社会環境、人的なサポート環境が行動変容に必要ではないかとの結論を仮定している。 一方、カンボジアでのCSWは明らかに経済的な理由により風俗業を続けており、貧困解消等の社会開発が必要であるが、わが国では寧ろ貧困等の経済的な理由ではなく、人間関係の支援の人間開発というストレス心理、人間的支援環境などの社会環境が行動変容には必要ではなかろうかと思われる(久保田香神戸大学医学系研究科修士論文) 今回の調査では、調査の制約から、CSWのサポートあるいは悪影響のキーパーソンに踏み込めなかったが、今後の課題としてキーパーソンの影響を調査したい。
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Report
(2 results)
Research Products
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