アフリカにおける子どもの「病いの疫学」と統合ケア(IMCI)
Project/Area Number |
14657099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 英子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (10253626)
安高 雄治 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (50336187)
大石 和代 長崎大学, 医学部, 教授 (00194069)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | やまい / アフリカ / 死因 / IMCI / 人口センサス |
Research Abstract |
本年度(第2年度)は2002年にセットアップしたケニア・沿岸州・クワレ郡・ムワチンガ村の調査地での病気パターンの分析を実施した。人口1500名程の同村で15ヶ月間に33名の死亡が報告され、粗死亡率は人口1000対17.6であった。死因はマラリアあるいは肺炎と思われる発熱が多く、約4割を占めていた。マラリアが疑われる場合、貧血、栄養不良、下痢などの症状を伴っていた。乳幼児では熱性痙攣を伴う現地語でNyuniといわれる症状を伴う死亡が多く報告された。このNyuniに対してはそれを専門に扱う呪医が存在し、Nyuniの時に病院に子どもを連れて行くと子どもが死ぬという言説が多く聞かれた。そのほか栄養不良による浮腫を伴ったクワシオルコルによる死亡、下痢による死亡が多かった。 学童期・思春期の死亡は3例報告され、蛇毒による死亡、心臓病、マラリアが疑われる頭痛貧血であった。マラリア死亡は成人、老人にも多く見られた。その他、成人の死因は肝臓肥大、膿瘍、糖尿病などであったが、膿瘍や頻回の下痢などHIV/AIDSが疑われる症状も多かった。同村では現在69名の孤児がおり、その多くは両親または母親がHIV/AIDSが疑われる原因で死亡していた。老人では婦人病、Tegoと呼ばれる慢性腎疾患、尿閉、高血圧などの死亡が報告された。Tegoは性との関連が取りざたされ、自分が浮気をして、その浮気相手の配偶者の呪文によって罹患すると考えられている。この疾患がこの地域で多いのはビルハルツ住血吸虫が多いせいか、あるいは性感染症が多いせいだと考えられている。全体の死亡のうち約20-30%はプライマリヘルスケアレベルの統合ケアによって防ぐことができた可能性があった。診療所での治療をIMCI方式に転換するように看護師への指導を開始した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)