遺伝子組換えフローラ大腸菌含有ハードカプセルを用いた漫性大腸炎に対する治療戦略
Project/Area Number |
14657135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10175127)
石川 博通 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20051667)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | drug delivery system / IL-7 / ジフテリア毒素 / 腸管免疫 / 炎症性腸疾患 / GFP |
Research Abstract |
我々のグループではこれまでにヒト炎症性腸疾患やマウス慢性腸炎モデルにおいて、慢性炎症の発症・持続のメカニズムを解明し、種々のサイトカインや抗体、増殖因子を用いた新しい治療法を開発してきた。しかし、これらの治療法の臨床応用を考えた場合、遺伝子組換え蛋白を用いるため非常に高価であること、また蛋白を活性を保ったまま病変局所へdeliverする有効な投与法が問題となっている。今回の研究は、生体に毒性のない腸管フローラ大腸菌を用いて、目的とする遺伝子組み換え蛋白を腸管内で産生させ、この遺伝子組換え蛋白産生大腸菌を大腸内で腸内細菌により崩壊するキトサン系ハードカプセルに含有することにより、大腸菌が胃・十二指腸内で分解されることなく大腸粘膜に高濃度の生理活性物質を作用させるという全く新しいdrug delivery systemを用いて、腸疾患に対する独創的かつ安全性の高い治療法の開発を試みた。プロトタイプとして我々が明らかとした慢性大腸炎に対するIL-7投与の有効性にもとづき、まず、ジフテリア毒素を結合させたIL-7(DAB3891L-7)を開発し、TCRαノックアウトマウスにおける慢性大腸炎に対する治療効果の検討を開始した。これまでに遺伝子工学的にDAB389IL-7の発現ベクターを合成し、大腸菌に発現させ、DAB389IL-7蛋白を精製する技術の開発に成功し、in vitroにおいてIL-7レセプター陽性細胞に対してアポトーシス誘導効果を確認した。マウスに経胃管的に投与可能な小型のハードカプセルの開発を進めているものの、技術的にかなり困難である。現在、このDAB389IL-7蛋白発現組換え大腸菌をTCRαノックアウトマウスに対して経口投与し、慢性大腸炎に対する治療効果を検討しており、今後、ヒト炎症性腸疾患治療に新しい道が開けると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)