大腸全摘術後の残存小腸上皮「大腸化」機序解明のための新しいストラテジー
Project/Area Number |
14657296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50192315)
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 大腸全摘術 / マイクロアレイ / 上皮細胞 |
Research Abstract |
大腸全摘術後の難治性下痢は必発であり、残存小腸による代償の有無が術後ののQOLを左右する。「小腸の大腸化」が真実であれば、形質を決定する遺伝子現構成が変化するはずである。「大腸化」を解明する目的で小腸(大腸全摘後も含む)と大腸における遺伝子発現についてマイクロアレイにより検討した。 1、マウスにおける検討:十二指腸を除く小腸と全大腸間で比較した。8734個の遺伝子の内、3倍以上発現量に差のある遺伝子は大腸優位が39遺伝子で既知遺伝子にはHMGCoA synthase2、carbonic anhydrase 1、CEA-related celladhesion molecule 1などが、小腸優位では31遺伝子でmicrosomal triglyceride transfer protein、apolipoprotein A-IVなどが認められた。 2、ラットにおける検討:SD雄性ラットより遠位小腸と左側大腸を、大腸全摘ラットより遠位小腸を摘出、上皮細胞を分離し、RNAを抽出した。CodeLinkオリゴDNAマイクロアレイを用い、その発現量の差に基づいて遺伝子を小腸の形質を担う(小腸型)遺伝子、大腸型遺伝子、小腸と大腸共通の共通型遺伝子に分類し、術後小腸の「大腸化」に関与する遺伝子を検索した。一定蛍光強度以上の発現を示す5,108種の遺伝子を、大腸型430個、小腸型276個、共通型4402個に分類した。大腸全摘により60個の遺伝子が誘導されたが大腸型は13個にすぎなかった。一方、58個の遺伝子が3分の1以下に抑制され、そのうち小腸型は28個であった。大腸全摘により、残存小腸は部分的な大腸形質の獲得と小腸形質の喪失により「大腸化」するが、各々の腸管を特徴付けるごく一部の遺伝子群にすぎない。術後の適応促進には「大腸化」以外の要素も考慮する必要があると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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