Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江刺 正喜 東北大学, 未来科学技術研究センター, 教授 (20108468)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
吉澤 誠 東北大学, 情報シナジーセンター, 教授 (60166931)
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90101138)
松木 英敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134020)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本年度は,人工心筋装置の長期動物実験の達成を目標として研究を進めた.エレクトロハイドローリック型心室補助装置を開発した.合成高分子材料を用いた心室モデルを用いて循環シミュレーションを行い,装置設計段階から心室補助装置による血行力学的補助効果を想定し,同システムの開発を行った.開発した埋め込み式心室補助装置は,成山羊第4-5肋間に固定され,動物実験で評価したところ生理学的に有効な補助効果を確認することができた. 4ヶ月以上継続した慢性実験4例においては,人工物の移植に起因すると想われる若干の炎症は観察されたものの,腎臓・肝臓・肺にはうっ血の所見は見られなかった.装置が設置された心筋表面にはうっ血所見がみられたが,ミクロ微細構造変化の観察はより専門的観点からの検討が必要と考えられた.過熱冷却能力が一定ならば,形状記憶合金のスケール(サイズ)が小さいほど,熱力学的効率が高く,速い収縮拡張動作が得られることに着目して,独自に開発した形状記憶合金及びファイバー型形状記憶合金(Biometal)とペルチェ素子を組み合わせて微小収縮補助装置を開発した.まず,縦1mm横0.8mm長さ100mmの形状記憶合金ロッド側面にペルチェ素子50個が搭載されたシートを接着し,ヒートシンクを有した構造とした心筋補助装置素子を作成した.このシステムでは,体内環境を模擬した電気絶縁性溶液内において1W,1Hzの動作を実現できた.さらに,直径150μmのナノテク形状記憶ファイバーを並列接続として収縮力評価を行った結果,ペルチェ冷却素子と併合したシステムによって最大で2Hz程度の収縮拡張運動を達成することができた.動物実験では,両形状記憶合金型システムの挙動を確認し,心室壁面への装着が充分に可能であることが分かった.生体心臓の収縮挙動に対する人工的収縮位相の最適化について,検討を進める必要があることが示された.
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