マウス脊髄損傷モデルに対する骨髄由来多能性幹細胞移植の検討
Project/Area Number |
14657355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (30270870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (20344997)
山崎 正志 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (50281712)
村上 正純 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50219903)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 脊髄損傷 / 造血幹細胞 / 分化の可塑性 / 細胞移植 / 造血管細胞 |
Research Abstract |
目的:骨髄由来多能性幹細胞をマウス脊髄損傷モデルに注入し、損傷脊髄への生着および神経細胞・グリア細胞への分化につき組織学的に検討し、行動学的回復に及ぼす影響についても検討を加えることによりその脊髄損傷治療における効果を知ることを目的とした。 方法:1)マウス脊髄損傷モデルを作成する。全身麻酔下にFarooque(2000)らの方法に準じて第8胸椎椎弓切除し、硬膜外より20gの圧迫を加え、脊髄不全損傷モデルとした。マウスは雌C57/B6マウスを用いた。 2)雄ROSA26(LacZ Tg)マウス大腿骨より骨髄を採取し、FACS Vantage(Becton Dickinson)にてFACSを施行した。Lineage negative、c-kit positive、Sca-1 positiveの細胞集団中に多能性幹細胞が高純度に含まれる。 3)2)で採取した骨髄由来多能性幹細胞を1)で作成した脊髄損傷モデルの脊髄損傷部に注入した(損傷後1週)。コントロールとして、幹細胞をsuspendするのと同様の燐酸緩衝生理食塩水(PBS)を同量注入した。 4)幹細胞注入後時間経過を追って、行動学的評価をおこなった。行動学的評価にはFarooque(2000)らのscoring systemを用いた。 5)4)と同様に注入後時間経過を追って組織標本を作成し、組織学的検討を行った。注入した幹細胞由来の細胞はすべて雄の細胞であり、Y染色体を有する。そこでマーカーとしてY染色体に対する蛍光標識DNA probeを準備し、in situ hybridizationをおこなうことで、注入した幹細胞を組織標本上で同定できる。また神経系の各種細胞マーカーとLacZに対する免疫染色二重染色を行い、移植した幹細胞の神経系細胞への分化につき検討した。 結果:幹細胞移植群ではコントロール群と比べ移植後3週の時点より有意な行動学的回復が認められ、移植後5週の最終観察時にもその有意差は保たれていた。Y染色体in situ hybridizationでは、幹細胞を移植した群のみにてY染色体陽性細胞が脊髄内に見られた。免疫染色では、幹細胞移植群のみにLacZ陽性細胞を認めた。二重染色の結果、astrocyteのマーカーGFAPとLacZの二重陽性細胞、oligodendrocyteのマーカーO4とLacZの二重陽性細胞、neural stem cellのマーカーNestinとLacZの二重陽性細胞がそれぞれ認められた。ニューロンのマーカーNeuNとLacZの二重陽性細胞は見られなかった。 考察:骨髄由来幹細胞移植は損傷脊髄に移植したさいにはグリア細胞・神経幹(前駆)細胞に分化し、機能回復を促進した。本研究において、機能回復は移植後比較的早期により起こることから、移植細胞が分泌する液性因子が機能回復の主なメカニズムであろうと思われた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)