卵巣表層上皮をもちいた上皮性卵巣癌発生過程に関与する因子の同定・解析
Project/Area Number |
14657420
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
高倉 賢二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10221350)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | 上皮性卵巣癌 / hTERT / mutant Ha-ras / c-erbB-2 / 不死化 / 卵巣表層上皮細胞 / 不死化細胞株 / 癌化細胞株 |
Research Abstract |
【目的】予後不良例が多いために臨床的に大きな問題である上皮性卵巣癌の発癌機序の分子レベルでの解析をめざした。本研究ではまず卵巣癌との関連が示唆される遺伝子を、発生母地とされる卵巣表層上皮(OSE)細胞に遺伝子導入して癌化を誘導し、発癌モデルの確立を試みた。 【方法及び結果】培養OSE細胞にSV40largeT抗原(LT)、テロメラーゼ活性を誘導するhTERT、癌遺伝子であるmutant Ha-rasまたはc-erbB-2各遺伝子をリポフェクション法にて導入し、クローニングした。各遺伝子の発現はWestern blotting法等にて確認した。LT、hTERTの導入によりOSE細胞は100代以上の継代が可能となり不死化した。しかしこの細胞はマウスでの腫瘍形成は示さなかった。この不死化OSE細胞にmutant Ha-rasまたはc-erbB-2を導入すると、軟寒天培地中での足場非依存性増殖能が亢進し、さらにBALB/Cヌードマウス皮下ないしBALB/C SClDマウス腹腔内注入にて腫瘍形成を認め、悪性転化したことが確認された。形態学的には未分化な上皮性腫瘍であったが、1例、分化した上皮様形態を示した。この1例は卵巣癌腫瘍マーカーCA125の発現も示した。次に癌化していない不死化細胞と癌化細胞における遺伝子発現の差異をmicroarray法で解析し、これまで卵巣癌との関連が報告されていない、複数の新しい遺伝子の発現異常を見い出した。 【結論及び本研究の意義】ras、c-erbB-2癌遺伝子が卵巣癌の発癌過程に関与することが示唆された。また卵巣表層上皮細胞の不死化細胞株、癌化細胞株を確立した。この細胞株のmicroarray法による解析で見い出した遺伝子異常をさらに検討中であるが、この細胞株は他にも応用範囲が広く、今後の卵巣癌発癌過程の解析に貢献しうるものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)