発生過程における嗅上皮細胞でのNotch Signalの発現に関する研究
Project/Area Number |
14657436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西崎 和則 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90180603)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 嗅神経細胞 / 発生 / Notch Signal / In situ hybridization / 内耳感覚細胞 / Notch / in situ hybridization / 嗅上皮 / 嗅覚 / 呼吸上皮 / マウス / 胎生・生后 |
Research Abstract |
嗅上皮の基底細胞層には幹細胞が含まれ生涯にわたる神経細胞再生を担っている。一方、哺乳類内耳感覚細胞は現在のところ障害された細胞は再生不能とされている。近年、内耳感覚細胞の発生にNotch Signalの関与が注目され、Notch1、Math1、Jagged2、Hes5などの各遺伝子の発現が明らかにされた。Jagged2の発現を阻害した動物モデルでは感覚細胞が過剰に発生し、内耳感覚細胞再生への手がかりとして注目されている。我々は、嗅神経細胞の発生においてこれら4つの遺伝子の発現をIn situ hybridization等の手法を用い観察した。実験には胎生11日目から生後14日目までのBALB/c系マウスを用いた。その結果、Notch1の発現は胎生11日目から生後14日目まで球状基底細胞層に散在性に、Math1とJagged2の発現は胎生18日目から生後14日目まで嗅神経細胞層に観察された。Hes5は胎生11日目から生後3日目までは球状基底細胞層に散在性に、生後5日目以後嗅神経細胞層に発現が見られた。これらの結果からNotch1は生涯続く再生のための幹細胞のストックに、Math1は前駆細胞の嗅神経細胞への分化に、Jagged2はMath1の発現にあわせて周囲の細胞の分化抑制に、Hes5は発生初期にはNotch1と同じ働き、後期にはMath1の過剰発現を抑制し神経細胞の数を調整する働きがあるのではないかと考察した。支持細胞にはこれまで遺伝子の発現の報告は無く、発生のメカニズム解明は今後の課題である。我々は硫酸亜鉛による嗅粘膜障害動物モデルによる研究も進め、嗅上皮再生過程においてもMath1とJagged2の発現を確認した。今後これらの遺伝子と嗅神経細胞、支持細胞の発生の関係を明らかにしそのしくみを解き明し、嗅覚障害の治療・内耳再生へのヒントをつかみたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)