Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
歯科医療で使用されている補綴修復物合金に含有される金属元素が原因と考えられるアレルギー疾患等の障害が頻繁に報告されるようになり,生体にとって従来ほぼ無為害性とされてきた歯科金属でも,状況により注意を払う必要がでてきている。歯科金属に含有される元素の溶出から生体への影響までを,医療従事者として詳細に把握し,歯科材料による為害性の可能性のある各症例については,的確に対応できる体制作りが望まれるようになっている。口腔内や体内のような各金属イオンが存在する環境下での各種培養細胞への金属イオンの取り込みとDNAレベルでの障害,機能性タンパクならびに遺伝子発現の様相,および細胞の損傷,回復,死滅に与える影響について検索し,アレルギー反応とのデータを蓄積することにより細胞のイオン取り込み傾向や付随する要因より,アレルギー反応を予測し,診断や治療に役立てる手がかりを得ることが本研究の目的である。ゲル電機泳動システムを使用し,培養細胞にアレルゲン性の高いコバルト,ニッケル,クロム,水銀イオンを選択して投与,さらにDNAマイクロアレイスキャン蛍光検出装置により遺伝子解析を行うべく,昨年度より,従来の実験に加えて新たにチタン,カドミウム等の生体親和性の明らかに異なる金属イオンと培養細胞の種類を追加しながら検索を行ったところ,やはりカドミウムによる取り込み量と細胞障害性が大きく,また,イオン化することが困難な酸化チタンでも,細胞によっては損傷が起こることが明らかになった。細胞内の取り込み物質の分布と動態およびSEMと微量金属測定装置により細胞内金属の局在およびイオン濃度と細胞分画法による金属イオンの存在を確認し,細胞内機能分子との相互作用についてもある程度の関連性が現われたため,この原理を利用することで患者固有のアレルギー発症傾向を識別する手法開発につながると考えられる。
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