中性pHにおいて尿酸の溶解を促進する薬物の探索に関する基礎研究
Project/Area Number |
14657570
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
嶋林 三郎 徳島大学, 薬学部, 教授 (20025703)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | 尿酸 / 有機ヨウ素化合物 / ローズベンガル / エリスロシンB / イオタラム酸 / インターカレーション / 結晶成長 / 結晶崩壊 / ヨウ素 / 吸着 / 痛風 / 結晶膨潤 / 電荷移動錯体 / 尿路結石 |
Research Abstract |
1.尿酸結晶粒子の分散と崩壊:平成14年度に研究したヨウ素分子と同様の効果が見られることを期待して、有機ヨウ素化合物であるエリスロシンB(EB),ローズベンガル(RB)及びイオタラム酸(IOA)の尿酸結晶に対する吸着と、吸着に伴う尿酸結晶の平均粒子径の変化について調べた。EB, RBの尿酸結晶への吸着に伴って尿酸結晶の平均粒子径は小となり、EB, RBの分散作用を見出した。この結果は、尿酸結晶凝集体の崩壊あるいは結晶粒子そのものの崩壊を意味する。粉末X線回折法から、吸着により回折角は変化しないが回折強度が弱まることがわかった。これより、EB, RBは結晶層間へ浸入して尿酸結晶を崩壊させることを結論した。一方、ヨウ素分子の吸着では面間隔が増加したのち結晶が崩壊した。このようにヨウ素分子とEB, RBとでは異なる機構で尿酸結晶を崩壊させることがわかった。しかしIOAではこのような効果は見られなかった。これらのことより一概にヨウ素化合物といえども、分子の形状、電荷などにより尿酸結晶に対する分散作用の異なることも分かった。 2.生成する尿酸結晶粒子の凝集阻事および結晶成長阻害:尿酸は中性pHでは水に全く溶解しないが、KOHで強アルカリにすれば溶解する。このことを利用して尿酸をいったんアルカリ性水中で溶解させたのち塩酸酸性にして尿酸結晶を析出させた。析出直後は1水和物であるが酸性水中に数時間放置しておくと自発的に無水結晶となった。この析出した結晶の平均粒子径は、EBあるいはRBの添加濃度とともに小となり、粉末X線回折強度も低下した。この結果は、共存EB, RBが吸着することにより尿酸結晶微粒子の分散剤として作用し、また尿酸結晶成長の結晶毒にもなっていることを意味している。このようにして、これらのヨウ素化合物は尿酸結晶に吸着し、尿酸結晶の凝集と結晶の成長を妨げ、尿酸結晶の微粒子分散系を生成させることを結論した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)