Project/Area Number |
14657606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical sociology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福原 俊一 京都大学, 医学研究科, 教授 (30238505)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 外科手術 / 術前在院日数 / 在院日数 / 医療の適切性 / 腹腔鏡下手術 / 医療費 |
Research Abstract |
平成11年度患者調査のデータより、主病名/副病名が「胃の悪性新生物」または「結腸の悪性新生物」の開腹手術例を対象とした。これらの診断に対する均一な待機手術例を得るため、まず、緊急手術が必要な診断(外傷、急性腹症、動脈塞栓、大動脈瘤、消化管穿孔、ヘルニアの閉塞など)または、虫垂炎など他の手術疾患の合併があり単独記載の手術日の信頼性が疑わしいもの、精神科、整形外科的な診断名があり入院の理由があると思われるもの、及び、術前の場所が「当院または他院に通院」でないものを除外した。さらに、術前入院日数が30日以上およぶもの(557例、18%)については、術前検査以外の何らかの入院理由があると判断し除外した。術前入院日数による除外例のうち357例(38%)については副病名について記載がなかった。こうして得られたサンプルに対し、病院毎に、胃または結腸の悪性新生物に対して手術(以下、対象手術とする)の行われた例数を計数し、調査の行われた平成11年9月の1ヶ月中に10例以上の当該手術のある172病院2574手術例について解析を行った。施設特性については平成11年医療施設調査と連結して解析した。 条件該当病院のうち、平均術前入院日数の平均は9日(範囲0.5-20.2日)であり、対象手術例の術前入院日数が半数以上で2日以下であるものは5病院(3%)であった。5病院とも非都市圏の公立病院(自治体または公的団体(労働福祉事業団、社会保険協会)の設立)であり、4病院が中規模病院(一般病床数100-500床)の二次救急病院、一病院は一般病床数800程度の三次救急病院であった。大学病院や特定機能病院、臨床研修指定病院はなかった。 以上より大多数の病院において、胃または大腸の悪性新生物に対する半数以上の手術例が術前に3日以上入院していることがわかった。これら悪性新生物の術前入院の理由として、出血や栄養状態低下の補正などがあげられるが、手術例の半数以上にそのような該当例があるとは考えにくい。大半の診療内容が外来でも可能な術前検査であることを考慮すると、一部の患者では医学的理由もあろうが、病床の稼働率を上げるために入院している可能性がある。入院診療報酬点数が低く抑えられている結果、多くの病院で慢性の人手不足の状態にあること、また経営的な観点からも入院日数を長くする傾向があるなどが考えられる。しかし、入院日数が増えると院内感染のリスクもあがる、不要な検査や治療が行なわれる可能性などの問題点も考えられる。さらなる実態の把握が必要と思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)