Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
GISデータの統計解析的展開という目的に沿った形で平成15年度には,Flury(1990)によって提案されたPrincipal Points(主要点)を応用した施設配置問題に取組んだ。本研究では,このPrincipal Pointsを用いた解析を主要点解析と呼ぶ。主要点解析では,与えられた確率分布の密度関数をk個の領域に分割したとき,各領域のある種の中心をPrincipal Pointsと称する。この分割された領域の中心を施設配置問題での施設とする,という発想がこの研究の出発点である。すなわち,ある地域をk個の領域に分割し,各々の領域町中心と考えられる施設を配置するることになる。統計の分野では,地域統計の研究があるが,分布の特性や関連の分析に重点が置かれている。本論文では配置問題を直接的に扱う手法として主要点解析を位置付ける。また,主要点解析では,離散データを確率分布による連続なデータとして扱うという点で関数データ解析の分野に関連している側面もある。 先行する応用研究は,スイス軍の防護マスクのサイズと形状を決定する研究や,天気図のパターンを要約する研究等が挙げられるが,施設配置問題への応用は行われていない。さらに,本研究では,地理的要因と空間データの分布の構造に着目した主要点解析の拡張を提案する。また,主要点解析は施設配置問題に用いるために生まれた理論ではないとの理由から,応用に際し主要点解析を見直す必要が生じた。そこで,地理的要因と施設配置問題の設定及び空間データの構造に着目した。まず,地理的要因すなわち道路の形状を考慮し,表現するために定義されているユークリッド距離を拡張した。そして,追加配置を行う主要点解析を提案し,最後に,空間データの分布の複雑さに対応させるためのカーネル密度推定を利用した方法を提案している。本研究を進める過程において,統計解析が持つ社会的意義を追った。
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