Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤正 巖 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30010028)
大山 達雄 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30134323)
松浦 弘幸 株式会社テクノバ, 主任研究員 (30262116)
中野 正博 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70141744)
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20197643)
松谷 明彦 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00303090)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
我々は,原子・分子の力学である「量子力学」を手本とした量子社会システム分析法を開発した.この方法では,現代物理学の波動方程式を,経済・金融工学の分野に応用して新しい将来推計システムや構造解析システムを構築することを目指した.この量子社会システム分析法によるデータの平準平滑化には,ファジー微分法と積分法を新たに開発し,データをすべてファジー数として取り扱った.この我々のデータ処理法は,拡散係数が時間依存を持つ場合にまで拡張した手法であり,統計学の「関数データ解析法」を,量子力学に似た「演算子法」にまで発展させたものである.我々が開発した量子社会システム分析法を用いて,12種類の病気に関する2000年から2014年までの有病率の将来予測を実施し,予測誤差は高々2%以下であり,一般の時系列解析法よりも良好な精度を得たが,原子・分子の方程式がマクロな社会・経済システム分析法への適用の妥当性を疑う声も多かった.そこで,我々はその根拠を示すために,一般的なブラウン運動を記述する確率微分方程式から量子社会システム分析法の基本式(複素拡散微分方程式)の導出を試みた.ネルソンの確率過程量子化の方法に習い,前方平均微分,後方平均微分を定義して,一般的な確率微分方程式から汎用複素拡散微分方程式を得ることに成功した.量子力学のシュレディンガー方程式は,我々の複素拡散微分方程式において,拡散係数を、√<η/m>という定数とすることに相当し,また有名なブラック・ショールズ方程式のいう「ミクロな現象であれその現象の根底に拡散過程が存在すれば,さらに一般的には,確率過程が存在すれば,その現象は,確率微分方程式を出発点として,量子力学のシュレディンガー方程式に類似の複素拡散微分方程式で記述可能である」という結論に到達した.
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