Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,真核生物鞭毛の内部構造(軸糸)を構成する蛋白質の動態を直接観察することを目的にした.精密機械のような整然とした軸糸構造がどのように形成され,維持されているかは,未解明の大きな問題である.これまでこの軸糸構造は構造全体が解体再生する場合をのぞいて,きわめて安定に保持されていると考えられてきたか,最近、定常状態においても蛋白質がダイナミックにターンオーバーしているという実験結果が報告されはじめた.これが事実であるとすると,鞭毛構築機構は再考を迫られることになる.しかし,これらの知見は単離・固定した試料の解析に基づくもので,そのダイナミックな過程を直接検証した研究はまだない.本研究では,クラミドモナス生細胞に蛍光標識した軸糸蛋白質を電気穿孔法で導入して鞭毛軸糸内に取り込ませるという,以前我々が開発した方法を利用し,蛍光退色・回復実験を行った.すなわち,蛍光標識蛋白質をとりこんだ鞭毛軸糸の小部分を光退色させ,その部位の蛍光が時間とともに回復するか否かを検出する実験である.その結果、軸糸蛋白質であるアクチンか数十分という時定数でターンオーバーしていることを示すことに成功した。鞭毛内のアクチンは主にダイニン内腕のサブユニットとして存在するので,このことはダイニン内腕が生細胞の鞭毛内で動的にターンオーバーしていることを示唆する.今年度はさらに、組み換え蛋白質として発現したダイニン外腕のサブユニットを蛍光標識し、ダイニンの内腕と外腕のターンオーバー速度に差があるか否かを検討した。現在のところごく少量の外腕サブユニットしか鞭毛内へとりこまれないために蛍光退色実験を行うまでに至っていないが、遠からず、軸糸内の様々な蛋白質の動態がこの方法で明らかにされることと期待される。
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