染色体外での自律的複製を評価する新規実験系を用いた、哺乳動物複製起点の解析
Project/Area Number |
14658232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 典明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10216096)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 複製開始領域 / 核マトリックス結合領域 / 遺伝子増幅 / DM / HSR / BFB cycle / 複製タイミング / 複製バンド / 哺乳動物複製起点 / ポリ(A)付加配列 / 複製フォーク阻害配列 / 染色体外遺伝因子 |
Research Abstract |
我々は以前、哺乳動物複製開始領域と核マトリックス結合領域(MAR)を持つプラスミドをがん細胞内に導入すると、それが極めて効率よく増幅され、DMやHSRを形成することを見いだした。本研究で我々は、DMで増幅することは、導入したプラスミドが染色体外で複製、維持されたことを反映するのに対し、HSRの形成は導入プラスミド配列上で頻繁に2本鎖切断を生じて不安定化することを反映することを示した。この実験系を用いて本年度は、以下の項目に関して実績を挙げた。1)染色体外での自律的複製を支配するプラスミドのシス構造;複製と転写の衝突がプラスミド配列の不安定化を誘導することが示された。さらに、この位置にMARがあるとさらに不安定化するが、MARの存在自体は染色体外での自律的複製に不可欠であった。このような理解をもとに、逆に安定に複製・維持されるプラスミド構造が示唆された。そこで、そのようなプラスミドを構築して検討した。しかし、予想外の転写が生じて不安定化したために、現在、それを解決する構造を持つプラスミドを構築し、検討中である。2)遺伝子増幅領域の形成機構;継続的な検討により、増幅構造形成に関して詳細なモデルが完成した。この中で、HSRの形成に至るBFB cycleでは、アナフェーズブリッジの解消過程が重要であることが示唆された。そこで、HSRを生細胞で可視化して検討することにより、その理解に大きな成果が得られた。3)増幅領域の複製状況の解析;DM上の配列は常に早期複製であり、HSR上の配列は後期複製であった。また、均一なHSR内に複製タイミングに関するバンド構造を見いだした。この点を、CldUとIdUを用いて検討すると共に、核内での複製状況を詳細に調べた。その結果、数十メガ塩基対に及ぶHSRが核内でどのように折り畳まれ、それがどのように複製されるのかについて、重要なモデルが得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)