快情動の発現におけるGABAの役割:遺伝子変異マウスによる解析
Project/Area Number |
14658264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (60013976)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | GABA / ノックアウトマウス / 情動行動 / 脳内自己刺激 |
Research Abstract |
抑制性神経伝達物質GABAの各種脳機能に対する関与をしらべるため、GABAの合成酵素であるGAD(グルタミン酸脱炭酸酵素)の遺伝子ノックアウトマウスを作成して解析した。そのひとつGAD65のノックアウトマウスは脳内GABAが半減しており、てんかん発作を起こしやすく、各種のテストで情動行動が異常であった。すなわち不快情動の高進が不安、恐怖のテストで明確に認められたが、快情動の変化も抑うつ性低下と侵入者への親密度としてみられた。本研究はGAD65ノックアウトマウスについて、GABA系の快情動への関与を明らかにすることを目標としている。扁桃体は恐怖にもっとも関連する部位とされるが、その神経活動は快情動の際も変化することすることが報告されており、扁桃体が破壊されると快が不快へ変わる傾向が認められている。そこでGAD65ノックアウトマウスから扁桃体のスライス標本を作成してパッチクランプ法でシナプス活動をしらべた。ノックアウトマウスでは外側核の抑制性シナプス活動は高頻度刺激に追随できず、自発性の興奮性シナプス活動が高まっているとともに長期増強も高進していることがわかった。今後、扁桃体内の他の核での部位的差異を明らかにして快情動と関連づけたい。快情動や報酬系にもっとも強く関係するのは腹側被蓋野から側坐核へのドーパミン性経路であるが、逆に側坐核から腹側被蓋野へはGABA性のフィードバックがあり、また腹側被蓋野でも内在性GABAニューロンによる調節が重要とされる。脳内自己刺激実験によりノックアウトマウスでこの経路の活動を調べる。通常ラットで行われている脳内自己刺激のマウス用への改変を行っており、これを完成させて、系統的な実験を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)