Project/Area Number |
14702021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 彰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90294024)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥30,160,000 (Direct Cost: ¥23,200,000、Indirect Cost: ¥6,960,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2002: ¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / シンクロトロン放射 / 元素分析 / 硬X線 / アンジュレータ / 内殻励起 / 原子制御 / トンネル電流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、特定元素のエネルギー吸収端にあわせた超高輝度・単色硬X線をSTM観察点に入射し、物質表面の状態・組成分析を原子分解能で行うことである。要点は、内殻励起で生じたフェルミ準位近傍の状態密度変化を、トンネル電流の変化としてとらえることである。これはSTM探針をコレクターにして放出電子を集める手法とは全く異なり、STM像の差分を観測するものである。この目的には高度に工夫されたSTM装置が必要であり、装置はSPring-8の超高輝度ビームライン(BL)に導入された。10μmの超高輝度X線を、超高真空中、STM測定点に、精度良く、短時間であわせこみ、BLでの作業高速化、能率化を進めつつ、信号測定系の高機能化を行った。 まずX線照射自体による、基板表面への不要な影響を取り除き、次に原子分解能の元素分析のため、Si(111)清浄表面上のGeナノアイランドを測定した(Ge吸収端の上下で光を入射し、それぞれのSTM像を差分する測定)。ただしトポグラフ像を単純に差分するのでなく、精度向上のため、トンネル電流自体の差分をとる手法を開発した。さらに、ビームの2次元集光により励起数を増やした上、さらなるノイズ低減のため全反射条件を用いた。また、ノイズ源である放出電子電流をさらに抑えるため、カーボンナノチューブ探針を用いた。その結果、吸収端の上下で画像内のGeナノアイランドのみに変化が生じる現象が得られた。これはSi上でGeの元素識別に結びつく現象だと考えられる。同時に、副次的な成果として、SPMを用いて半導体だけでなく酸化物表面についても表面構造を観察し、表面の原子スケールでの平坦化処理に関する新知見が得られた。また、STMで有機分子のμmサイズドメイン内の抵抗を測定することに成功し、それが従来の抵抗値と異なることを示すことができた。これらの成果は論文として公表された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)