Project/Area Number |
14710002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柏葉 武秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (90322776)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | スピノザ / 統治 / 自己所有権 / 進化論 / 道徳実在論 / 予防原則 / サド / 西洋近世 / 自我 / 実体 / 自然 / 個体性 |
Research Abstract |
西洋近世哲学におけるにおける実体・自然・自我といった基礎概念を、スピノザを参照軸としつつデカルト、ライプニッツとの比較の上で、明らかにすることを主たる研究目的とする。そうすることで、形而上学から自然学、倫理学までを貫く、総体的な近世哲学史の像を描くことができる。これら三つの概念が現在のわれわれの思考枠組みとってもなお必須であるのだから、現代哲学のいくつかトピックとも交差した研究となる。 具体的には、以下の三点が研究の柱となる。 (1)実体:スピノザの属性とライプニッツの個体概念 (2)自然:デカルト批判としてのスピノザとライプニッツ (3)自我:デカルトのコギトとスピノザの永遠なる精神 だが、研究を進める過程において、スピノザにおける「国家」が形而上学的に個体としての位置を占めるかどうかが、問題としてあらたに意識されてきた。よって、スピノザ政治思想研究を、基礎概念研究の一部ニック見込んでいった。 最終年度である本年度は、スピノザの政治思想研究と、さらにはスピノザの着想を生かした現代倫理学研究、すなわち「自己所有権」の批判的解明に従事した。それぞれの研究成果は、別表のように、英文論文として刊行することができた。 さらに、研究計画最終年度においては、デカルトのコギトを継承するものとしてのスピノザ像をあきらかにしようと努めてきた。デカルトのコギト解釈における、「コギト直観説」をいち早く提唱した同時代の哲学者がスピノザである。まずはこのスピノザの解釈をデカルトの研究史に即して再検討した。その上で、スピノザのデカルト批判の射程を確認していく。 そのさいに重要な論点として浮上するのが両者の「意識」概念の差異である。そこで、以上の研究とは、一定程度独立させて「意識」という用語の使用法を、両者のテキストを総覧する形で調査した。研究成果はいまだ公刊されていないが、日本哲学会『哲学』にこの研究に基づく論文を投稿する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)