心理学実験とコネクショニストモデルによる広汎性発達障害児の認知機能の検討
Project/Area Number |
14710053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
行廣 隆次 京都学園大学, 人間文化学部, 助教授 (60240628)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 抑制機能 / 中枢性統合 / コネクショニストモデル / ストループ干渉 |
Research Abstract |
1.実験研究 小学校中学年〜中学生の高機能広汎性発達障害児約70名を対象に,2つの実験を実施した。(1)逆ストループ課題の応用実験:前年度研究で実施した課題とほぼ同じ課題を使用し,結果の安定性を検討した。(2)Navon (1977)流のグローバル情報とローカル情報の混在呈示による干渉測定:2種の情報間での抑制機能の検討と,グローバル情報の優越性からの中枢性統合機能の障害に関する検討を行った。その結果,広汎性発達障害児においてもグローバル情報のローカル情報に対する優越性は大きかった。また文字と図形の2種の刺激を用いた結果,刺激間で干渉の働き方に違いが見られ,文字では不適切情報による妨害効果が顕著であるが,図形では冗長刺激の促進傾向が主に見られた。今後さらに,健常児のデータとの比較,抑制機能と中枢性統合の関係,広汎性発達障害児の中での特性の個人差傾向,などの分析を行っていく必要がある。 2.モデル検討 ストループ干渉に関するコネクショニストモデルの先行研究等を中心としたモデルの調査と,広汎性発達障害児を対象とした実験結果の,ネットワークパラメータ操作による記述可能性の検討を進めた。この検討では,あらかじめ研究者側が設定した結合ウェイトの違いによって,同発達障害の認知特性を記述することは可能であるが,発達障害の原因メカニズムを探るには限界があると考えられた。今後は,発達研究の分野で検討され始めている,ネットワークの学習によって発達メカニズムをモデル化するアプローチを用い,ネットワークの初期状態や学習特性等の効果から発達障害の発生メカニズムを探ることが重要であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)