Project/Area Number |
14710066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 講師 (30302318)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 知的障害 / 脳と教育 / 脳の可塑性 / 視覚認知 / 神経生理学 |
Research Abstract |
学習により神経結合の再組織化が行われ、脳の可塑的変化をもたらす。近年では、様々な非侵襲的な手法によりヒトの脳機能状態が解明されつつあり,最近は「教育と脳」の関係が注目されている。本研究では、知的障害児の視覚認知機能を発達認知神経科学的アプローチにより明らかにし、彼らへの発達支援上の手がかりを提供することを目的としている。以上の目的を達成するため、平成15年度は以下の項目について取り組んだ。 (1)視覚探索活動に関する認知発達科学的研究:静的有効視野範囲が発達的に拡大することを明らかにした。また、視覚探索場面における視線移動を検討した結果、静的有効視野が広がることによって短時間でターゲットを探索できるなど、効率的な視覚探索が可能となることを示した(健常児50名の記録を実施)。さらに,知的障害者を対象として測定を実施した結果、知的障害者の場合、ターゲット検出までの視線移動回数が健常児よりも多く、有効視野も狭かった。したがって、彼らの視覚探索過程の非効率さは有効視野の広さを密接に関わっていることが示唆された。 (2)知的障害者における視覚探索活動の促進に関する研究:視覚探索場面において非効率的な視線移動によりターゲットを検出している知的障害者数名を対象として、周辺視野の情報を用いた視覚探索活動を促す訓練を実施し、その効果を得ることができた。昨年度の成果を紀要に報告した。 (3)知的障害者の周辺視力:幾何学的図形視標を用いて周辺視力測定を実施した。健常成人とほぼ酷似した結果を示す者がいる一方で、ある事例では極端に周辺視野での空間解像度が弱いなど、事例によって状態は異なることが示唆された。 (4)知的障害者の視覚認知に関わる生理心理学的アプローチ:これまで行動的指標と生理的指標により明らかにした成果をまとめるとともに、生理心理学的アプローチ適用に関する有効性と問題点を明らかにした。
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