Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究は,聾重複障害児の「個別の指導計画」作成をめぐる教員間のディスコースがどのように構成されているのかを分析することにより,重複障害児の「個別の指導計画」作成をめぐる課題について明らかにすることを目的とする。本研究の研究機関は3年間であり,本年度はその最終年度にあたる。 これまでの2年間は文献調査をもとに,聾重複障害児への対応に関して全国的に特徴的な聾学校,養護学校を抽出し,主としてインタビューによる調査を実施してきた。その結果として,聾重複障害児の個別の指導計画作成の仕方について,類型化することができるということ,そしてそれは聾重複クラスと単一障害クラスのそれぞれで用いられているコミュニケーション手段との関わりがあることが示唆された。 そこで本年度は,これまでインタビューの結果をもとに検討してきた聾学校における重複障害児への対応に関する仮説的な構造について,さらにインタビューを行いつつ,実証的に明らかにすべく,全国の聾学校の小・中学部で重複障害児クラスを担当している教員を対象に,アンケートを実施した。あわせて,各聾学校の重複障害児の個別の指導計画に使用されている書式を送付頂いた。 「合わせた指導」を中心に教育課程を編成するなど,単一障害クラスと教育課程が異なる場合,個別の指導計画の書式自体も変更が求められる。その際に,同じ聾学校よりも,近隣の養護学校の書式を参考にするケースが見られる一方で,単一障害児と重複障害児のコミュニケーション手段が共通している場合には,教育課程上の相違はあっても,同じ学部の教員同士で相談しあえる関係が築かれているケースも見られた。このように,用いられるコミュニケーション手段の違いが,手段の違いだけにとどまらず,個別の指導計画作成における重複障害担当教員の負担感や孤立感にも影響を与えていることが示された。
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