Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
最終年にあたる平成16年度は,過去二年間に収集してきた国内外で実質的に機能している倫理委員会や研究/教育機関等の倫理規定の具体的な運営方法にかんするデータを集約して,マルティボーカル・エスノグラフィーを援用したカンファレンスを実施し,そこでの議論を踏まえた研究成果を報告書にまとめた。データは,「倫理宣言」や「倫理網領」等の印刷物に加え,それらの運用過程を面接調査とフィールドワークをとおして収集した。文献資料やフィールドワークを行った対象は,日本,韓国,台湾,ニュージーランド,オーストラリア,ブラジル,および,アメリカ合衆国の7カ国にのぼる。収集データを分析した結果,制度や印刷物のレベルではグローバル化がすすんでいても,フィールドリサーチで実際にとられる運営方法は,「契約型」,「紹介型」,「折衝型」,「開放型」の4つの特徴的な類型にわけられることがわかった。この結果は,教育研究における人権概念や倫理観が,制度や倫理網領を媒介としながらも,その運用は関係者のローカルな文化的実践のなかに埋め込まれ,文化的歴史的な文脈のなかで常に再解釈されることを示唆するものである。実際のフィールドリサーチを当事者として体験しながら行った成果については,次の学会や研究会等で発表している。「異文化間の移動・協働を可能にする保育実践を考える-発達の連続性の観点から-」(日本保育学会第57回大会/2004年5月),「グローバル化を背景にした保育カリキュラムの現状と課題」(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設創立40周年記念シンポジウム/2004年9月),「グローバル化を背景にした保育カリキュラムの現状と課題」(北海道大学大学院2004年度VAD (Vygotskian Approach to Development)研究会/2004年9月)。
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