古代ギリシアのOrientalizing Periodにおける地中海文化交流の研究
Project/Area Number |
14710258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 秀樹 新潟大学, 人文学部, 助教授 (80236306)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ギリシア / エジプト / メソポタミア / レバント / 比較神話 / 創世神話 / 賢者観念 / 話型 / 叙事詩 / 打情詩 / 怪物像 / 予言 / 創造神話 / 古代ギリシア / 古代エジプト / 旧約聖書 / 抒情詩 |
Research Abstract |
研究期間の最終年度にあたり、これまでの成果をまとめる活動を行なった。 先ず、近年の新しい学界状況の中で、従来の「古代ギリシア」像が有効ではなくなっていることを諸学説から確認し、二つの方向からの研究が不可欠であることを示した。つまり、「古代ギリシア」の遣産とイメージがどのように後世の人々によって受け継がれていった過程を再検討することと、ヨーロッパ中心史観を排した上で「古代ギリシア」と近隣諸文化圏との関係を再検討すること、である。本研究では後者の方向での研究を主たる作業とし、そのための比較作業の方法論を考察した。その核心は、特定要素の存在の有無による比較ではなく、特定の(最低でも二つの)要素間の関係性による比較である。 上記の学界動向と方法論を踏まえて、三つの具体的事例の分析を行なった。第一に、創世神話を生殖原理と精神原理の双つの軸から検討し、ギリシアのヘシオドス作『神統記』、エジプトの『メンフィスの神学』、パレスチナの『創世記』を比較分析した。第二に、賢者観念を表す定型表現と知の源泉との関係から検討し、ギリシアのヘシオドス作『神統記』、エジプトの『ネフェルティの予言』、パレスチナの『コーヘレト書』を比較分析した。第三に、<天界の不平>という話型に注目し、行為原理と存在原理の関係から検討し、ギリシアの伝ホメロス作『イリアス』及び『オデユッセイア』とメソポタミアの『ギルガメッシュ叙事詩』を比較分析した。 以上の研究成果について、その方法論については、「構成要素の関係性から見た神話の比較研究」(研究成果報告書『システムズアプローチの適用による文学研究』所収:発表予定)および、「比較神話の方法-揺らぐ「古代ギリシア」像の再検討に向けて-」(研究成果報告書『神話学の比較実証研究-儀礼、合理性、ディスコース-』所収:発表予定)にまとめた。また、具体的分析を含む全体については、研究成果報告書『古代ギリシアのOrientalizing Periodにおける地中海文化交流の研究』(発表予定)にまとめると共に、単行本の形で公表した(高橋秀樹著『神話から見た古代東地中海沿岸の文化交流』高志書院,2005年3月25日,190頁)。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)