Project/Area Number |
14710310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
中根 千絵 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (80326131)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 法勝寺 / 伝承 / 文化圏 |
Research Abstract |
若手研究(B)は、『今昔物語集』という一つの宗派に片寄らない仏教説話集の生成の環境を知る為に、現在は、失われた寺院であり、院の発願により建立された宗派のない寺院である法勝寺の蔵書、法勝寺という<場>の復元と諸寺との関係を明らかにしようという目論見で出発した研究である。従来の『今昔物語集』研究では、その構造的な分析と成立圏の問題は別の次元で扱われてきており、殊に成立圏については、興福寺や比叡山といった文化圏が想定され論争されてきた。しかし、申請者は、こうした独自の教学をもたない文化圏として、法勝寺を中心とする六勝寺文化圏を想定した。法勝寺は院政を開いた白河院の御願寺であった。申請者は様々な調査と分析を行い、『今昔物語集』の成立時期には、法勝寺を中心とする院御願の寺院がその他の宗派の寺院との関係において、中核的役割を果たしていた事実があることを発見した。平安時代末の法勝寺をとりまく各宗派の動向は、浄土信仰ひとつとりあげてみても、天台宗のみならず、真言宗の側にも取り入れられていたのであり、世相に敏感な各宗派が似たような学問を形成しつつあったらしいことがうかがわれた。また、栄西のような院と直接結びついた僧が法勝寺と南都の寺院との両方に関わって活躍していたことも知られている。そうした学問上の、あるいは、政治上のネットワークの一つの要として、法勝寺は存在していたことが明らかとなったのであり、今昔物語集の成立がある宗派に偏りを示さないのは、こうした時代背景によるものであることが判明した。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)