近代日本成立期民衆の秩序形成―秩父事件を事例として
Project/Area Number |
14720087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
高島 千代 関西学院大学, 法学部, 助教授 (90283382)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2003: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2002: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 近代成立期 / 民衆運動 / 自由民権運動 / 秩序形成 / 地方自治 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に行った史料収集と博士論文「秩父事件の全体像に向けて-近代成立期の民衆運動と地域秩序」の修正・再整理のうち、残っていた作業を行うことを目標とした。 具体的には、<1>幕末から1883(明治16)年の秩父事件前における「諸問題」(事件で問題化された負債の延納、徴兵を含む公課負担の減少)の解決方法と地方自治制の関係、<2>1883年12月郡役所請願から1884年10月の蜂起段階までの秩父困民党の動きと民権運動・鎮圧側の動き、<3>蜂起解体・裁判から1889年市制町村制の施行までの期間における各町村の生活と「諸問題」の解決方法、産業組合・信用組合化の進行と従来の秩序意識の解体など、博士論文の書き直しに際して明らかにすべき三つの点に関わる史料を、秩父郡長瀞町・小鹿野町所蔵文書について閲覧・複写(デジカメ撮影)し、これらの史料を読解・整理した。また<2>については、民権運動関連史料として特に『自由新聞』(復刻版を関西学院大学が所蔵)『立憲政党新聞』(マイクロフィルムを自己所蔵)を読解。民権派が松方デフレ期の窮民問題をどのように位置づけ、どのような解決方法を提示しているかを抽出した(この成果は、「偽自由党と秩父事件」として、別にまとめる予定)。さらに、事件の際の群馬県・長野県側史料など(『甘楽町史』『北佐久郡誌』ほか)も収集・読解して秩父側の動きに関する記述を補強。軍隊や政府側の動向・対応については「公文録」(マイクロフィルムを関西学院大学が所蔵)、『山田伯爵家文書』第1〜3・5・6巻(日本大学)、『山田顕義伝』(日本大学)に収められている関係史料の読解と整理を行った。 以上の作業を行うとともに、博士論文の第二部と序論を中心に加筆・再整理した。なお、この、過程で必要となったため、埼玉県行政文書についても再度、史料調査を行った。 成果としては、序論で新たに加筆した研究史整理を、論文「秩父事件-研究と顕彰運動の現在」としてこの3月に公表する。また博士論文のほうは現在、若干残っている修正を行いつつ、出版社を擁している段階である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)