Project/Area Number |
14730044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済政策(含経済事情)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 敏之 九州大学, 大学院・経済学研究院, 助教授 (30297618)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 地球環境問題 / 国際協定 / ゲーム理論 / 国際協力 |
Research Abstract |
今年度も前年度に引き続き,地球環境問題の解決に向けて国際環境協定のゲームモデルを用いて,提携の安定性についての分析をすすめた.研究の目的は,参加を強制させられることができないでも各国が参加するインセンティヴをもつ「自己拘束的な」環境協定の成立の可能性を探ることである. 研究実績として刊行された2つの論文のうち「Design of International Environmental Agreements under Uncertainty」は昨年度に発表した「不確実性の下での国際環境協定の設計」に若干の修正を加えた後に英訳したものであるので,もう1つの「国際環境協定の安定性に関する動学的分析」の内容を主に紹介する. この論文では自分がこれまで用いてきたモデルに動学的な要素を加えて同様の分析を行った.ゲームは,プレイヤーである各国が他の国と協力して提携を形成するかどうかを判断するゲーム(第1段階)と,戦略として汚染物質の削減量を毎期決定する非協力微分ゲーム(第2段階)に分かれる.プレイヤーは第2段階での利得を考慮に入れて協定に参加するかどうかを決める.すべての国による環境協定が安定であるかどうかをさまざまな仮定のもとで検証した. 分析の結果,国の数が3以下であればつねに協定は安定になるが,4以上のときには安定性は各国の汚染被害を示すパラメーターのばらつきに依存し,各国が似た状況にある場合は安定にならないことが示された.ただし,ある提携が協定を抜けようとするときに他の国が協定を無効にして単独で行動するというルールがあれば,協定はつねに安定になる.以上の結果は静学的分析の場合と同様であり,昨年度に得られた結論が動学的要素を加えた場合にも成り立つことが明らかになった.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)