地方銀行経営の大衆銀行化と経営組織の変容-1940〜50年代-
Project/Area Number |
14730062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
白鳥 圭志 東北学院大学, 経済学部, 助教授 (70337187)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 経営組織 / 銀行合同 / 地方銀行 / 国債消化 / 大衆銀行化 / 再建整備 / 預金吸収 / 経営の計画化 / 銀行経営 / 大衆化 / 戦時経済 / 戦後復興 / 地方金融 / 国債消化機関化 |
Research Abstract |
本年度は、地方銀行経営の大衆銀行化・組織整備の歴史的前提条件である、第二次世界大戦下の銀行合同に強い影響を与えた、銀行合同政策も含む日本銀行の国債消化=金融調節政策について、社会経済史学会第73回全国大会(於大阪市立大学2004年5月29日)で学会報告を行なった。そこでは、研究史に対する批判力が弱いことを指摘されたために、今年度は報告作成過程で行なった実証研究を研究史での議論を踏まえて、論理的に補強する作業に多くの時間が費やされた。また、この研究を行なう過程で発見した関連問題-具体的には金融恐慌期から戦時統制経済直前までの時期のインフレと特融の回収・処理問題-を解決する必要に気がついたために、一橋大学付属図書館を中心に史料の調査・収集を実施し、その検討を進めた。これは、本研究課題からすれば副産物に過ぎないが、『社会経済史学』第70巻5号(2005年近刊)に掲載が決定している。 このほか、昨年度、経営史学会で行なった学会報告の成果を踏まえて、その内容がどこまで普遍性があるのかを検証するために、大蔵省銀行局『銀行局金融年報』の金融機関検査に関する部分を1950年度分から1973年度分まで収集し、金融機関の経営組織整理に関する検査と行政指導の特質について検討を行なった。そこでの検討の結果、大蔵省金融検査官は、「ルールと手続き」・計画に基づく「近代官僚制」的かつ没属人的な経営を確立すべく、各業態の金融機関の経営を検査・指導したが、都市銀行と地方銀行は1950年代末までには、概ね、経営のあり方がその方向に向かったが、それらより下位の業態の金融機関経営は組織整備・計画化がはかどらなかったことが確認された。今後、可能な限り早期に、上記の日本銀行の金融政策に関する研究と共に、この研究を論文として学会誌に投稿できるようにすることが、目下の課題である。また、この三年間の研究成果を踏まえて、戦後日本における金融システムの形成と変容に関する全体像の試論を、テキストではあるが『MBA日本経営史-20世紀-』(2007年刊行予定)に分担執筆した。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)