Project/Area Number |
14730073
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
|
Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
大野 早苗 高千穂大学, 商学部, 助教授 (40307145)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | 家計のポートフォリオ選択 / 生涯効用の最大化 / 預貯金偏重 / プルーデンス / 危険回避度 / 予備的貯蓄 |
Research Abstract |
2年間の本研究プロジェクトにおいて、2年目にあたる平成15年度は、昨年度に行った理論分析および実証分析の拡張作業をおこなった。 生涯効用の最大化をめざす家計は、まず、各時点で消費と貯蓄の配分を決定し、さらに、決定した貯蓄の下で各資産への投資配分を決定する。長引く景気低迷や雇用不安を背景に、最近では予備的貯蓄の高まりが指摘されている。リスクの増大は貯蓄を増大させる可能性があるが、所得のハイリスク・ハイリターンの関係を考慮すると、消費の平準化効果から、将来の期待所得の増大が現在の貯蓄を低下させる可能性もある。所得階層別のデータを用いて実証分析を行ったところ、バブル崩壊以降、賃金リスクの高まりが貯蓄を増大させる傾向が低所得階層の世帯にみられている。 リスクの増大によって貯蓄が増大しているとき、増大した貯蓄は危険資産ではなく安全資産に向かう可能性が高く、日本の家計のポートフォリオ選択の特徴として指摘されてきた「預貯金偏重」がさらに強まる可能性がある。ただし、効用関数の形状等の条件によっては、リスクの増大が危険資産への需要を低下させるとは限らない。一般に、賃金と国内株式等の収益率の相関は共通のファンダメンタルズに基づくと考えられることから、株式等への需要を減少させるとみなされることが多い。しかし、家計の効用が消費と余暇に依存しかつ両者が分離不可能であるような場合には、株式への投資比率は消費と余暇の代替性に依存することになる。また、トレンドを除去すると、賃金成長率と株式等収益率の相関は負の相関を示す可能性がある。 ただし、危険資産への投資において流動性制約が無視できない影響を及ぼしている可能性があり、危険資産への需要は所得階層別に異なる特徴を示す可能性がある。現在、所得階層別のデータを用いて分析しているところであるが、今後、さらに分析を継続し、最終報告書を仕上げる予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)