草創期百貨店における生産との分業関係の変化に関する研究
Project/Area Number |
14730085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Commerce
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
藤岡 里圭 長崎県立大学, 経済学部, 助教授 (00326480)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 百貨店 / 呉服店 / 商品開発 / 百貨店化 / 洋風化 / 部門別管理 / 部門 / 管理 / 博覧会 |
Research Abstract |
呉服店が百貨店へと移行する百貨店化の過程は、商品の洋風化の過程であった。つまり、取扱商品を洋風化させながら取扱量を拡大させていくことは、単に陳列販売や正札販売などの革新的な経営方法が導入されただけでは実現しない。洋風商品を安定的に販売できるようなシステムが求められる。そのためには、前年度の研究で検討したような生産者と百貨店との共同の商品開発が必要であるとともに、それを単発の試みに終わらせることなく、継続させる仕組みが不可欠となる。後者について考察したのが、今年度の研究である。 具体的には、各百貨店の創業者が欧米の百貨店を詳細に研究し、自らの商品知識を主体的に高めていったことが大きく影響している。すなわち、資金力で生産者を勝っていた草創期百貨店が、積極的に西洋の文化を取り入れ、洋風商品のある生活を消費者に提案してきた。さらに、視察等で入手した先進的な百貨店の形態を模倣するだけでなく、日本文化に根付くような商品の開発、例えば、銘仙のようなモダンなテイストを取り入れた和服や、日本間に適合するような洋家具の開発へと継起的に展開していった。これらの取り組みによって、草創期百貨店の革新的経営を支える商品構成が実現したのである。 このように、先行研究で明らかにされた販売技術の革新のみならず、それを支える商品の存在によって、換言するならば百貨店による生産への介入の結果、呉服店は洋風商品を拡大することが可能となり、百貨店化を促進することとなった。その意味では、草創期百貨店における生産との分業関係が、単なる仕入先から共同で商品開発する関係へと変化したことによって、草創期の百貨店がより明らかになったといえよう。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)