零細小売商における家族従業問題、顧客関係についての検討
Project/Area Number |
14730088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Commerce
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College |
Principal Investigator |
坂田 博美 東京都立短期大学, 専任講師 (80320828)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 零細小売商 / マーケティング / 顧客関係 / フィールドワーク / 家族従業 |
Research Abstract |
今年度は国内研修を申請し、一橋大学大学院にて「定性的調査法」を受講し、エスノグラフィーの書き方について学ぶことができた。フィールドワークは、145日間行うことができ、家族経営の地域密着型専門店をフィールドとしたフィールドワークの手法を確立することができた。兵庫県伊丹市の小売店(手芸店、メガネ店、手工芸品店、茶小売店)を中心に、参与観察調査を継続して、仮説を裏付けるデータ収集をした。とくに、手芸店とメガネ店では、店主との関係を明らかにするために、顧客に対しても参与観察を行った。 研究課題「なぜ、零細小売商を支える顧客が、小売店にいろいろな品物を持ち寄るのか」を検討していったところ、家族従業問題に関していくつかの点が明らかになった。ファンと呼ばれる顧客のいる店とそうでない店を比較検討したところ、ファンが作り出される構造を見出した。事例で取り上げた小売店は、地域密着型専門店であるため、家族や従業員だけでなく、顧客を始め地域住民に支えられて成り立っている。そうした店では、ファンと呼ばれる顧客も、家族や従業員同様、店を維持するために欠かせない存在である。そのため、家族従業も顧客や地域住民との関係を検討した上で記述しなければならない。パートナーが店に出ていなくてもファンがいる店の顧客関係を検討したところ、店ではなく、個人に対してファンになることが分かった。顧客にとって商人家族は、地域に開かれた存在であるが、個々に独立した存在だったのだ。そのため、家族従業のあり方も、それぞれが独自にファンを作り出す努力をしなければならないと言える。後継者問題については、店主と家族を含めた従業員でファンを作り出す構造を共有できているかどうかが大事である。家族従業は、店主から顧客関係を維持するノウハウや考え方が、パートナーを含め家族や従業員へ引き継がれたのかを検討しなければならない。 これらの成果について、来年度、著書『小売経営と夫婦のパートナーシップ(仮)』を出版する予定。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)