Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,企業外部者による企業評価のあり方が,企業内部の業績評価・意思決定に及ぼす影響について考察した.分析は,実証会計理論(positive accounting theory)のフレームワークに依拠しつつ、企業内部における業績評価・意思決定に及ぼす影響として経営者の会計行動に注目し,これと企業評価との関係を分析した. 「利益数値制御の推定方法に関する一考察」ならびに「契約論ベースの会計研究の分析フレームワーク」は予備的な考察であり,経営者の会計行動をいかに分析をしたらよいのかについて,先行研究のサーベイを中心に考察した.前者では,経営者の会計行動(利益数値制御)を特定化する方法として,様々なものが提案されているが,それぞれ利点と問題点があり,いくつかの方法を組み合わせて用いることが有用であるとの指摘をした.また,後者は,経営者の会計行動に及ぼす要因について,コーポレート・ガバナンスの観点から議論することが有用であることを示唆するものである. 「経営者の近視眼的投資行動と企業のガバナンス構造-研究開発投資水準の決定をめぐって」では,日本における主要な特徴とされる安定株主,メインバンク制といった,安定的なガバナンス構造があるもとでは,経営者は将来的には企業価値を高めることが予想される研究開発投資を削減するような近視眼的な行動をとらないことを見いだした.しかし,こうした傾向は,90年代後半以降見いだされておらず,近年のガバナンス構造の変化とともに,企業評価のあり方と経営者の意思決定の関係が変化していることも明らかとなった.
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