超高速専用計算機によるダークマターハローおよびサブハローの構造に関する研究
Project/Area Number |
14740127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福重 俊幸 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60282513)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 宇宙論 / ダークマター / 重力多体シミュレーション / 専用計算機 / 天体形成 |
Research Abstract |
この研究では、宇宙論的密度揺らぎから重力クラスタリングの結果できるダークマターハローおよびサブハローがどのような構造を持つかを、重力多体シミュレーションで明らかにすることを目的としている。この研究においては、シミュレーションの空間分解能、質量分解能の向上がブレークスルーをもたらすと考えている。そのためにクラスター構成の重力多体シミュレーション専用計算機GRAPE(以下GRAPEクラネタ)を開発し、大輝模なシミュレーションを行なう。研究実績は以下の2点にまとめられる。 1.開発したGRAPEクラスタでダークマターハローの構造を調べた。これまでのシミュレーションより1桁近く分解能をあげた銀河団スケールでのダークマターハロー形成のN体シミュレーションを行なった。その結果、概ね1%ビリアル半径(約20kpc程度)より内側では、密度のべきはこれまで考えられていた-1.5乗のカスプよりわずかながら浅い方にずれることがわかった。そのずれ方はハロー毎に異なる。すなわち、Universalな構造をもたないということを意味する。1%ビリアル半径より外側では、Moore et al.(1999)のプロファイルに良く合うことを確認した。この1%ビリアル半径はこれまでのシミュレーションの分解能の限界にあたる。この成果はAstroPhysical Jounal誌2004 May 10号にて出版予定である。なお、行なわれた計算(3千万体)は単独天体のN体シミュレーションとしては現在世界最大である。 2.シミュレーションを行なうために大規模なGRAPEクラメタの開発をすすめた。開発したクラスタの基本構成はGRAPE-6Aカードとホストコンピュータからなる。現在、クラスタは32ノードからなり、そのうちの12ノードで上記のシミュレーションを5日程度で終らせることができるとともに、さらに大規模な計算も可能である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)