半導体量子点におけるスピンおよび励起子状態のコヒーレント制御に関する研究
Project/Area Number |
14740183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池沢 道男 筑波大学, 物理学系, 助手 (30312797)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 半導体量子点 / 四光波混合 / 光ヘテロダイン検出 / 歪誘起量子点 / InP量子点 / 励起子分子 / スピン緩和 / スピン偏極キャリア / コヒーレント制御 |
Research Abstract |
半導体量子点の励起子コヒーレンスに関する重要な情報が得られる四光波混合実験を、少数の量子点でも可能にするために強力なツールとなる高感度の検出システムを構築した。システムはヘテロダイン検出の考えに基づいており、試料からの散乱光や外部光の影響を受けずに高感度に微弱な信号を検出することが出来る。昨年度までに、15層程度の量子点試料における実験には成功していたが、本年度はさらに改良を進めて、単層の量子点試料において四光波混合信号を観測できるまでになった。これを2種類の量子点試料に適用し、興味深い結果を得た。 まず試料として、歪誘起GaAs量子点を用いた。このタイプの試料では、信号強度を増すために量子点層を多層化することが原理的に難しく、これまでのところ時間領域でコヒーレンスを議論した報告は無かった。本研究では、上記システムを用いることで、初めて時間分解縮退四光波混合を高いS/N比で観測し、明瞭なビート信号も観測した。このビート信号は、偏光依存性などから歪誘起量子点中の励起子分子に起因することが分かった。この結果は、歪誘起量子点という特殊な条件を生かせば、2次元的な量子井戸と0次元的な歪誘起量子点での励起子分子の束縛エネルギーの直接的な比較が出来るものと期待され、興味深い。 もう一つの試料として、透明電極により電場を印加できるInP量子点を用いた。この試料では元々電子が1〜2個程度ドープされていることが分かっており、バイアス電圧によってその個数をコントロールすることが出来る。それによって励起子のコヒーレンスがどんな影響を受けるか興味がもたれた。四光波混合信号は低バイアス領域では電場印加に伴って信号強度が数十倍に増大し、さらにバイアスを上げていくと減衰時闘が短くなる現象が観測された。これらは電圧印加に伴いドットからのトンネリングが増大することと、残留キャリアが減少して吸収飽和カヨ回復することと関連していると考えられるが、詳細については検討中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)