Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,2重量子井戸に生成される励起子が示すと期待される様々な相を研究対象とし,特に,磁場などの外場を印可してそれを制御しようとするものである.2重量子井戸では,励起された電子と正孔が異なる量子井戸に閉じこめられることから,両者の束縛状態である励起子には向きという特異な自由度が付与されている.この系を記述する有効理論の構築を最優先課題として3年間取り組んできた.まず,励起子を局所励起とみなし,それらの間の有効相互作用を論じた.この場合には,誘電体球を並べた系に光照射した状況で近似することができ,いわゆるフォトニック結晶での重い光子描像に対する微視的理論を構築することと等価であることがわかった.そこでは,局在励起と平面波伝播の結合を解析的に求めることが本質的であり,それに成功した.引き続いて,平面波の自由度を「積分」することによって,局所励起間の有効相互作用をもとめた.その結果,相互作用が確かに短距離力であり,かつ局在励起の対称性によって,距離依存性に違いがあることが明らかになった. これらの系に磁場を印可すると,異方性が生じることが期待される.具体的には散乱強度のピークを与える位置が,磁場の強度の関数となる.さらに,最近特に注目されている電気磁気方向2色性の効果をも包含するような有効理論が今後重要になると考え,それに取り組んだ.残念ながらこれに対する最終的な結果を得る段階には至らなかったが,今後も継続して取り組む予定である.
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