テラヘルツ光画像技術の開発とそれを用いた半導体低次元系における電子輸送現象の研究
Project/Area Number |
14740185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 行雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90334250)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | テラヘルツ光 / 走査型電位計 / 量子ホール効果 / 半導体低次系 / 電子輸送現象 / 静電ポテンシャル分布 |
Research Abstract |
今年度は、当初からの研究課題であるテラヘルツ光空間分解検出システムの構築・高性能化に加えて、昨年度新たに考案した量子ホール素子による走査型電位計の開発研究、さらにはその物性研究への応用を行った。具体的に得られた成果は、以下の2点に要約される。 (1)ナノプローブ付のFET型量子ホール素子を用いて高分解能な電位分布計測を可能にした。 (2)テラヘルツ光空間分解検出技術と走査型電位計を組み合わせることにより、ランダウ準位内/間の各々の画像観測に初めて成功した。 (1)では、ナノサイズの先端径を持つ金属製プローブをFET型量子ホール素子の金属ゲート電極に装着するという新奇なシステムを作製することで、従来得られていた空間分解能(約10μm)を格段に上回るサブμmの分布計測が可能となった。 (2)では、今回の研究により開発された2種類のシステムを組み合わせることで、発光分布と電位分布を同時測定する新たな走査型プローブ顕微鏡を開発した。さらに、この技術を量子ホール伝導体に適用することにより、電子のエネルギー散逸に関係する縦電圧発生の起源-1つのランダウ準位内の散乱、異なるランダウ準位間の散乱-のそれぞれの画像観測に初めて成功した。得られた結果からは、2つの分布が著しく異なっていることが明確に見出され、各々の散乱過程やその特徴的な長さスケールの違いが明らかになった。 以上の成果は、走査型電位計についてはApplied Physics Letters誌の表紙に選ばれ、発光イメージングについてはPhysical Review B誌、さらにナノ科学/技術に関する主要な研究論文が選ばれるVirtual Journal of Nanoscale Science & Technology誌に掲載された。また、上記(1)の成果は、今年度7月に奈良で開催された国際会議(15th International Conference on Electronic Properties of Two-Dimensional Systems)において発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)