銅酸化物超伝導体の超伝導-絶縁体転移近傍における電荷・スピンの長距離秩序の研究
Project/Area Number |
14740197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
足立 匡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40333843)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 銅酸化物超伝導体 / La_<2-x>Ba_xCuO_4 / 1 / 8異常 / ストライプ秩序 / 高品質大型単結晶 / 輸送特性 / 磁気特性 |
Research Abstract |
・超伝導-絶縁体転移近傍La_<2-x>Ba_xCuO_4単結晶の育成と電荷・スピン秩序の研究 TSFZ法により、La_<2-x>Ba_xCuO_4(0.02≦x≦0.11)の高品質単結晶の育成に成功した。磁化率の測定の結果、0.02≦x≦0.05でスピングラス転移を観測した。また、中性子散乱実験の結果、斜めストライプ秩序の形成を反映した非整合磁気ピークを観測した。これらの結果から、La_<2-x>Ba_xCuO_4の絶縁体領域において、電荷・スピンのストライプ秩序が形成されている可能性が高いと結論した。一方、ab面内方向ρ_<ab>とc軸方向ρ_cの電気抵抗率の測定の結果、La_<2-x>Ba_xCuO_4と比較して異方性ρ_c/ρ_<ab>がx〜0.02では小さいことがわかった。この原因は、La_<2-x>Sr_xCuO_4では、Sr^<2+>よりもイオン半径が大きいBa^<2+>がホールの散乱に大きく寄与するためにρ_<ab>が大きいためと結論した。また、xの増加とともにρ_c/ρ_<ab>は上昇するが、超伝導が出現するx>0.05では逆に減少するととがわかった。これらの結果から、超伝導発現にはc軸方向の電気伝導性の増加が必要であると結論した。 ・La_<2-x>Ba_xCuO_4(x〜1/8)単結晶における電荷・スピン秩序の磁場中電気抵抗率による研究 La_<2-x>Ba_xCuO_4 (0.08≦x≦0.11)とLa_<1.6-x>Nd_<0.4>Sr_xCuO_4(x=0.12)単結晶において、15T以下で磁場中電気抵抗率を測定した。その結果、x=0.08では高温超伝導に特有の超伝導転移曲線のブロードニングが観測されたが、超伝導が異常に抑制されているx=0.11と0.12ではパラレルシフトが観測された。これらの結果から、ストライプ秩序の形成下では、コヒーレンス長の長い3次元的な超伝導状態が実現していると結論した。一方、x=0.10では、低磁場で観測されたブロードニングが高磁場ではパラレルシフトに変化することを見出した。さらに、低温での常伝導抵抗率が磁場の増加とともに上昇し、絶縁体的な振る舞いに変化するごとがわかった。これは、近年、中性子散乱実験から提案されている、磁場の印加によるストライプ秩序の安定化のため、ホールの局在が増大して抵抗率が上昇したと結論した。この結果は、磁場の印加による電荷ストライプ秩序の安定化を、世界で初めて傍証したものと見なすことができる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)