f-電子系におけるスピンと軌道揺らぎの競合と協調に関する研究
Project/Area Number |
14740219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
堀田 貴嗣 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (00262163)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | f電子 / 電子相関 / 超伝導 / 磁性 / 軌道自由度 / スピン自由度 / バンド計算 / 結晶場 / f-電子 |
Research Abstract |
相対論的バンド計算手法を用いて、アメリシウム系化合物AmCoGa_5のフェルミ面構造を明らかにした。得られたフェルミ面は、複数の大きな円筒状電子面と小さなホール面から成るが、PuCoGa_5のそれと形状が良く似ている。超伝導体であるPuCoGa_5とi類似の2次元的フェルミ面の存在は、AmCoGa_5も超伝導になる可能性を示唆している。これまでに、j-j結合描像に基づいてf電子系に対する軌道縮退ババード模;型を構築する一般的な方法を開発してきたが、今年度はその方法を用いてネプツニウム化合物の理論模型を構築した。まず、二酸化ネプツニウムNpO_2の25K以下に現れる秩序状態を明らかにするために、面心立方格子上で軌道縮退模型を解析した。その結果、4方向の八極子モーメントが配列した構造が基底状態となることを見出した。これにより、1953年に発見され、半世紀にわたって謎のままであったNpO_2の基底状態の正体が八極子秩序であることを微視的観点から解明することに成功した。また、正方晶の格子上で理論模型を解析し、ネプツニウム化合物NpTGa5の磁気構造が遷移金属原子Tによって変化する様相を明らかにした。さらに、充填スクッテルダィト化合物PrOs_4Sb_12の磁性および超伝導機構を解明するために、軌道縮退アンダーソン模型を数値繰り込み群法によって解析した。その結果、基底状態が非磁性の一重項でも、わずかな励起エネルギーで磁気的な三重項が存在していれば磁気揺らぎが低温まで生き残り、この磁気揺らぎによって異方的非BCS超伝導が現れる可能性を指摘した。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)