南部沖縄トラフの研究〜高解像度海底イメージングに基づく背弧リフト発達過程の解明〜
Project/Area Number |
14740258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖野 郷子 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30313191)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 海底拡大 / 背弧海盆 / リフティング / サイドスキャンソナー |
Research Abstract |
14年度は南部沖縄トラフでの研究航海において高解像度海底イメージングデータを取得、基本処理を行った。15年度は、以下の解析および研究のとりまとめを行った。 (1)高解像度海底画像の作成と解析 深海曳航ソナーWADATSUMIのデータプロセッシングのうち、昨年度行った基本的な手法では十分な解像度の得られなかった部分について個別の特殊処理を施し、調査海域全体の最終的な海底音響画像図を作成した。作成した図をもとに、断層/火山地形の分布をあきらかにした。 (2)位相差データにもとづく水深の算出と微細地形図作成 位相データを利用して水深を求め、2メートル等深線の精度で地形図を作成した。観測時にソナーの位置データが一部不良であったため、マルチビーム測深機による広域地形データとあわせるように調整を行った。 (3)既存データとの比較によるリフト発達過程の考察 上記の高解像度海底画像と地形図を、既存の広域の地形/構造探査の結果と比較し、沖縄トラフ南西部の発達過程について検討を行った。これまでの岩石採取により背弧の火成活動と考えられている小海嶺状の高まり付近は概ね堆積物に覆われ、断層地形が発達しており、最近の火成活動の様子はなかった。また、海底熱水噴出の認められた付近では、火山地形の山腹部に他と反射率の異なる特徴的な画像が見られ、熱水噴出物の広がりを捕らえている可能性がある。ただし過去の潜水船調査による海底ビデオ画像のある地点では速い潮流によりソナーの位置がずれており、ソナー画像とビデオの対応はつけることができなかった。 (4)他の背弧海盆との比較 当初計画には入っていないが、15年度に同ソナーにより現在活動的な背弧海盆であるマリアナトラフ拡大軸における高解像度地形調査が海洋研究所により実施されたため、その結果と沖縄トラフの海底画像の比較に着手した。沖縄トラフでは背弧拡大初期のリフトのステージにあり、わずかに背弧火成活動は見られるが、マリアナトラフで観察されるような小丘状の火山や溶岩流は認められない。 (5)研究発表等 海底画像図と解析結果の一部を、ヨーロッパ地球物理連合会合(ニース、仏国)の「高解像度海底マッピングとサンプリング」セッションで発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)