金星大気大循環における角運動量輸送と物質輸送について
Project/Area Number |
14740278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山本 勝 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (10314551)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 金星大気 / スーパーローテーション / 大気大循環 / 物質輸送 |
Research Abstract |
T21L52のVenus-like AGCM(CCSR/NIES AGCM5.6)を用いて、太陽加熱の3次元分布を与えた数値実験をおこなった。その成果は、Geophysical Research Letters (Vo1.31,doi:10.1029/2004GL019518,2004)に発表された。過去のVenus-like AGCMの研究では、スーパーローテーションを再現していないにもかかわらず、GRWシナリオ(Gierasch機構の大きな水平渦粘性は順圧不安定による赤道向き角運動量輸送に対応する)を主張していた。本年度の研究では、スーパーローテーションを再現した上で、角運動量輸送過程を詳しく調べている。Gierasch機構において、従来考えられていた順圧不安定よりも、中層大気では一日潮、下層大気ではシアーおよび慣性不安定が重要であることを示した。より現実的な条件の数値実験によって、金星のスーパーローテーションの全体像を提案することができた。 下端の摩擦時定数や赤道-極の温度差を変えた実験を行い、詳細な波動解析をもとに、スーパーローテーションが起こる条件を調べた。下端の摩擦時定数が大きく、赤道-極の温度差が小さいと、子午面循環が弱く、角運動量が上層に運ばれない。加えて、雲層上部で角運動量が極向きに運ばれるようになり、Gierasch機構が効かなくなることが明らかになった。 上記のVenus-like AGCMに加え、物質輸送の研究に必要な「硫酸雲の輸送モデル」を改良している。今年度は、子午面2次元モデルで詳細な粒径分布を計算するのに必要なエアロゾル凝結過程の計算法(累積個数分布の数学的制約とセミラグランジュ法を用いた方法、Yamamoto, Aerosol Sci.Technol.38,1033-1043,2004)を開発し、粒径分布の精密な計算を可能にした。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)