北西太平洋における混合層の消長に伴う熱収支・水塊形成に関する研究
Project/Area Number |
14740282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
辻野 博之 気象庁気象研究所, 海洋研究部・第一研究室, 研究官 (50343893)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 北西太平洋環境 / 高解像度数値海洋モデル / 長期海洋変動 / 北西太平洋循環 / モード水 |
Research Abstract |
NCEP/NCARの再解析による月別風応力、熱フラックスを外力として、北太平洋高解像度数値モデルを用いた1957年から2003年までの47年間のhind cast実験を行い、1ヶ月毎に平均値を出力した時系列データセットを用いて、北西太平洋の混合層の消長と水塊形成過程における経年変動の現れ方とその仕組みを明らかにするための解析を行った結果、以下のことが明らかになった。 1.北西太平洋で形成される表層水塊の水温や形成量の年々変動は冬期の大気場の状態、特に大気温によって支配されている。前年と比較して冬期の大気温度が低下した場合、混合層が深くなるため、その前年の有効な水塊形成量は少なくなり、逆に上昇した年には、混合層が浅くなるためその前年の有効水塊形成量は多くなる。 2.一方、数年より長い時間スケールの変動に関しては、海洋の内部の状態が効いてくる。海洋上層の蓄熱量が多い場合、水塊の水温自体もあまり低くはならず、逆に蓄熱量の少ない場合、水塊の水温は低くなりやすい。表層の蓄熱量は主に温度躍層の深さで決まっており、その変動は北太平洋中部および東部の風応力curlの変動に起因している。 3.北西太平洋の黒潮・親潮続流域の冬期の熱フラックスの変動についても、年々変動は大気温度との変動と相関が高く、それより長い時間スケールに関しては海面水温(上層蓄熱量)との相関が高くなる。これらは、2,3年より長い時間スケールの気候変動に海洋が影響を及ぼしている可能性を示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)