安定炭素同位体比を導入した炭素循環モデルによる陸域生態系炭素収支の解析
Project/Area Number |
14740315
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (2003) National Space Development Agency (2002) |
Principal Investigator |
伊藤 昭彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球フロンティア研究システム・生態系変動予測研究領域, 研究員 (70344273)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 大気-陸域相互作用 / 同位体分別効果 / グローバル炭素循環 / 気候変動 / スケーリング / モデル解析 / 陸域生態系 / 安定炭素同位体のスウス効果 / 安定炭素同位体 / 数値シミュレーション / 経年変動 / 地球環境変動 |
Research Abstract |
大気-陸上生態系間のCO_2交換を全球スケールでシミュレートするモデル(Sim-CYCLE)に安定炭素同位体要素を導入して数値実験と解析を行った。それにより、従来の研究では不確定性が大きかった大気-陸域間の正味交換の推定に同位体的な制約条件を加えることが可能になり、定量的評価に大きく寄与することができた。特に、約50年間の長期気候時系列データを入力とした数値実験では、大気CO_2変動に伴う大気-陸域間の安定炭素同位体的非平衡を定量化することができた。また、植物生理生態学的なモデルをベースとしたことで、個葉から群落スケールでの安定炭素同位体分別効果を明示的にモデル化することができた。つまり、個葉レベルの拡散・酵素反応による効果、キャノピー内でのCO_2再固定による効果、さらにC_3/C_4植物の地理的分布による効果を複合的に評価することに初めて成功した。結果的に、陸上植生による光合成(CO_2同化作用)における安定炭素同位体分別効果は、グローバルスケールで時間的に均一でなく、長期的な低下傾向に加えて相当幅の年々変動を示すことが示唆された。これは、大気CO_2観測に基づく海洋・陸域の正味交換に関する逆推定で用いられる仮定の見直しを迫る重要な知見であると考えられる。今後の課題としては、土壌炭素の平均滞留時間をより高精度で推定する土壌過程モデルの開発などが挙げられる。なお、本研究費で購入した計算機はプログラム開発、数値解析、および研究発表において活用された。また、本課題で得られた成果を発表するための旅費および英語論文の校閲に研究費が使用された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)