結合音励起による分子集分体再構成過程のパルスX線とラマン測定
Project/Area Number |
14740318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
HOBLEY JONATHAN (HOBLEY Jonathan) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40332499)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 相変化 / 相分離 / 沸騰 / スピノータル分解 / 混合溶液 / ラマン分光法 / 散乱 / パルスX線 / 変化 / ダイナミクス / ラマン測定 / スピノダル |
Research Abstract |
本研究では、ナノ秒レーザー温度ジャンプ法を用いて水の沸騰や2液混合溶液の相分離を誘起し、それらの相変化ダイナミクスを考察した。 水の沸騰過程に関しては100度近い温度ジャンプ後、数10nsで気化が始まり、その後水滴の生成が観測された。また、ラマン分光法を用いて沸騰過程における水の温度変化を見積もった。この結果から、温度ジャンプによって沸点を超えた水温はその後の気化に伴うエネルギーの消費によって、低下することが観測された。 2液混合溶液に関しては、レーザー温度ジャンプ法を用いることにより、スピノーダル分解による相分離過程が観測された。ラマン分光法の結果から温度ジャンプ後、1μsまで水素結合が変化し続けており、この時間領域では溶液が安定構造を持たないことが分かった。また、微視的には安定構造に達していると考えられる1μs以降の時間領域でも、シャドウグラフ画像測定法によって、メゾスコピックな構造を持った相の成長が確認された。このことから、2相は巨視的には安定構造に達していないことが分かった。また、相の成長における臨界指数は溶液の濃度によって異なり、0.5、0.7と観測された。この臨界指数の濃度依存性は溶液の粘性の違いによると考えられ、実験的には初めて観測された。 さらに、相分離中の溶液の反応溶媒としての可能性を議論するために、相分離に伴うピレンエキシマーの寿命の変化を観測した。相分離に伴ってエキシマーの寿命は短くなるが、相分離中の溶液ではエキシマーの寿命が相分離後の溶液中よりもさらに短くなっていることが観測された。レーザーによって相分離を誘起された溶液内には非常に高い割合で界面が存在するために、分極率の高いエキシマーが界面で捕捉され、寿命が短くなると考えられる。このような密集した界面を持つ溶液は相分離過程の最初の20μsだけで実現できると考えちれる。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)