Project/Area Number |
14740335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70290905)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 溶媒再配置エネルギー / 非平衡状態 / 静電相互作用・パッキング効果 / 液体の積分方程式理論 / 非経験的分子軌道法 / 化学反応 |
Research Abstract |
本研究課題では、RISM-SCF/MCSCF法を平衡状態以外へ拡張した理論を構築し、実際の溶液内化学過程に溶媒の分子論的な役割を明らかにすることを目標としている。RISM-SCF/MCSCF法は溶媒和が平衡状態にある分子の電子状態や液体構造を調べることしか従来できなかった。これは、平衡定数などの熱力学量を議論する上では十分であるが、溶媒和のゆらぎが直接関与する場合はその限りでない。液体の積分方程式理論でこうした「ゆらぎ」を取り扱うための手法としては、これまでに溶液内の2つの粒子間の電荷移動に関する方法が提案されていた。本研究課題では,同法を基に多原子分子系も扱えるより一般的理論へと発展させ、様々な化学過程における非平衡状態の役割とその分子論的描像を明らかにするための試みを続けてきた。こうした非平衡の効果は、電子移動反応や分子のイオン化に伴う溶媒再配置エネルギー(λ)に反映される。そこで、この物理量を第一原理的に決定する新しい方法論を昨年度までの研究によって確立した。今年度は、これらを物理的に明確な意味を持つ項(静電相互作用・パッキング効果など)に更に分割する方法を提案するとともに、水素結合性の溶液内でのλの振る舞いについて調べた。また化学反応系への拡張をも試みたが、本課題で開発した方法は本質的には二状態間の線形的補間を基礎としており、原子の組替えを含む一般的な化学反応では、電子状態や分子構造が非線形的に大きく変化するために、このままでは理論を適用できないことが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)