Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
これまでにO-置換γ,δ-不飽和ケトオキシムに塩基存在下,Pd(0)を作用させるとHeck型反応(アミノ-Heck反応)が円滑に進行し,ピロール類を収率よく与えることがわかっている。そこで,この反応を,1-アザアズレンの合成に応用した。シクロヘプタトリエニルメチルケトンのオキシムにPd(0)触媒を作用させたところ,期待通りアミノ-Heck反応が進行し,対応する環化生成物を得た。このものをMnO_2で処理することにより,所望のアザアズレンを得ることができた。本手法により,種々の2,3位置換1-アザアズレンを合成することができた。 また,オキシムとヒドラゾニウム塩との類似性に着目し,ヒドラゾニウム塩とPd(0)との反応を検討したところ,ヒドラゾニウム塩のN-N結合がPd(0)錯体への酸化的付加によって切断されることを見出した。γ,δ-不飽和ケトンのヒドラゾニウム塩にPd(0)触媒を作用させるとアミノ-Heck型反応が進行し,ピロールが得られた。この場合は,ヒドラゾニウム塩の酸化的付加によりアミンが生じるため,塩基を添加する必要はない。また,対アニオンの効果は顕著であり,ヨウ化物イオンが対アニオンの場合は反応は遅く,ピロールの収率も低い。これに対してテトラフルオロホウ酸塩が高収率でピロールを与えた。おそらく,中間のアルキリデンアミノパラジウム種がカチオン錯体となり,オレフィン部が挿入しやすいためであろう。 さらに,オキシムを用いる求電子的アミノ化反応の検討を行い,1,3-ジオキソラン-2-オンO-スルホニルオキシムがGrignard試薬の求電子的アミノ化剤となることを明らかにした。
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