金属錯体型磁性体における微視的な相互作用経路の決定
Project/Area Number |
14740371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸田 悟朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00333592)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 原子価互変異性 / 固体高分解能NMR / 磁気的相互作用 / 超微細結合定数 / 低次元磁性体 / 水素結合 / 遷移金属錯体 / 双安定性 / 電子スピン密度分布 / ピラゾール錯体 / キノン錯体 / 銅(II)錯体 / マンガン錯体 / イミダゾール錯体 / ニッケル(II)錯体 / コバルト(II)錯体 |
Research Abstract |
酸化還元有機配位子とCoイオンからなるo-キノン錯体の固体状態における原子価互変異性を、熱分析、磁気測定、および固体高分解能NMRにより調べた。Co(3,5-DBQ)2(dpa)が双安定性を示すこと、準安定相、安定相ともに固体内で原子価互変異性が見られること、異性体平衡の平衡定数が各相で異なっていること、などを見出した。 磁性金属イオンから配位子にまで広がった半占軌道の形状は、磁気的相互作用に重要であるばかりでなく、酸化還元活性軌道として金属タンパク質の電子伝達機構を理解するうえでも重要である。本年度は、固体高分解NMR測定により、プテリジン誘導体MLMなどが銅イオンと作る錯体の、半占軌道の形状を明らかにした。とくに、硫黄原子で配位するAMTTOでは、pzやpydzなどの複素環とは大きく異なる様式で、半占軌道が広がっていることを示した。 大きな磁気的相互作用をもつS=1/2ハイゼンベルク反強磁性鎖であることが期待される[Cu(pydz)(NO3)(OH)]H2Oについて、磁気測定および固体高分解能NMR測定を行ない、錯体型の一次元磁性体では最も大きな-2J値(約930K)を見出した。さらに良質の単結晶の育成に成功し、この物質が非常によい一次元性をもつこと、結晶内の交替磁場に起因する特異的な現象がかなり高温から現れること、などを示した。 水素結合を介した金属イオン間の磁気的相互作用を明らかにすることを目的として、Cu(Him)2Cl2等の固体高分解能NMRスペクトルを測定した。水素結合部位の構造に依存して、相互作用が強磁性的にも反強磁性的にもなること、その相互作用の大きさが、架橋ハロゲン原子を介した相互作用よりも大きくなりうることを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)