Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
1)Mn(III)salen誘導体である[Mn(saltmen)]+(saltmen2-=N,N'-(1,1,2,2-tetramethylethylene)bis(salicylideneiminate)dimerと[Ni(pao)2(L)2](pao-=2-pyridylaldoximate,L=unidentate ligand)との集積で得られる一連の[Mn2(saltmen)2Ni(pao)2(L)2](A)2を設計、合成した。このうち、L=pyridine, A=ClO4-に関しては最初の単一次元鎖磁石で、論文として発表し(J.Am.Chem.Soc.,2002,124,12837-12844、及び「化学」7月号)、そのシリーズとなる化合物群をInorg.Chem.に発表した。これらの発表は世界で最初の強磁性単一次元鎖磁石である。単一次元鎖磁石(Single-Chain Magnets)という名称も我々の論文で最初に発表されたものである。このような単一次元鎖磁石を系統的に作るために、本年度は原料錯体素子にNi(pao)2(bpy)やNi(pao)2(phen)を用い、Mn:Ni=2:1型の単一次元鎖磁石を見い出した。磁化緩和現象の評価を行い、スピン反転のエネルギー障壁がD=(8J+D)S2で表せることを見い出し、実測値との整合性を立証した。また、単一次元鎖磁石では初となる量子トンネル効果の可能性を見い出し発表した。 2)新しい単一次元鎖磁石の構築に成功し、Mn-Fe系、Mn-Cr系、Mn-Mn系のヘテロ金属一次元鎖を見い出し、その磁化緩和現象を確認した。 3)単一次元鎖磁石を構成するIsingスピンユニット錯体を合成し、その緩和現象と単一次元鎖磁石の緩和現象の相関を明らかにし、スピン緩和現象がユニット間の相互作用により連続的に評価できることを証明した。
|